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コントロール性重視のサスチューンでSE3Pは化ける!
エンジンは一切イジらず足回りを煮詰めて旋回性能を高める
このRX-8は、老舗“RSパンテーラ”がユーザーのお手本となる仕様を目指して製作した1台。必要最小限のメニューを加えたストリート仕様として、走りに効くポイントをしっかりと底上げ。メインとなるストリートはもちろん、ステージをサーキットへ移しても、痛快なハンドリングが楽しめるコーナリングマシンへと導いている。
注目すべきは、乗り心地とコントロール性を高次元でバランスさせたオリジナルのダンパーキットだ。フロントは、ダンパーの伸び側ストロークを積極的に確保してブレーキング後の挙動を安定させる方向でセットアップ。バネレートは11kg/mmだ。
リヤはトラクションを左右するストロークを稼ぎ出すため、オーリンズをベースにセッティングしたダンパーに8kg/mmのプログレッシブスプリングを組み込んでいる。
ブレーキは、バネ下重量の軽減に貢献するIDIの2ピース軽量モデルを投入。キャリパーは変更しておらず、ポテンシャルの限られたRX-8に配慮したブレーキチューンが敢行されているのだ。
ホイールはBBS RI-A(FR9.5J×18+35)で、タイヤにはポテンザRE-71Rの265/35R18を前後通しで履く。フェンダーは純正のままだ。
速さを上乗せしていくならエンジンチューンは必須だが、RX-8は走行距離が伸びてもポテンシャルの落ち込みが緩やかなため、7万5000キロ走行のエンジン本体はノーマルのままでキープされている。
なお、排気系は音量が気になるストリートではサイレンサーを通じての左右出しに、スポーツ走行時はストレート構造のセンター出しに…と、バルブ切り替え操作でチョイスできるオリジナルエキゾーストを装備。こうした排気チューンとECUセッティングだけでも、RX-8はスポーツ走行が格段に心地良い1台となる。ちなみに、鈴鹿サーキットでのベストタイムは2分33秒382。仕様を考えれば十分すぎるタイムだ。
インプレッションを担当した青木孝行選手は「ストリート重視で柔らかいスプリングレートだからロールするんだけど、ダンパーでゆっくりとした動きへ制御されているから不安を感じることはないし、とにかくコントローラブル。RX-8の素性の良さを再認識させられたね。パッケージバランスの高さを考えれば、このクルマはこのままが一番良いかも」とコメント。その乗りやすさとフィーリングは折り紙付きと言うわけだ。
速さを左右するエンジン本体は敢えて手をつけず、RX-8の素性の良さを底上げするポイントのみに絞り込んで仕上げた至宝のチューンド。愛車の痛快化を図るなら、RSパンテーラのRX-8をぜひ参考にしておきたい。
●取材協力:RSパンテーラ(佐藤商会) 静岡県富士宮市北山5220-2 TEL:0544-58-4837
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RSパンテーラ
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