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ヴェイルサイド流の大人スタイルに迫る
シンプルな印象で全幅2メートル級のワイド仕上げ
「Z32は長く販売が続けられたクルマで、新車当時から良いデザインのスポーツカーだなと思ってはいたんだ。コンバットシリーズなどのボディキットは製品として開発したけれど、本当の意味で僕が好きなパワーチューンは、GT-Rやスープラに没頭しすぎて手がけられなかったんだよね」とは、チューナーでありながら奇才エアロデザイナーという一面も持つヴェイルサイドの横幕代表。
続けて「今改めてZ32を手がけたのは、その時の心残りも少しあるのかもしれない。ちなみに、このZは自分で乗る想定、今っぽいスローな生活の中に溶け込むチューニングカーをイメージしたから、少しスタイルは押さえめ。当時のようなイケイケじゃないけど2m級のワイドでね」。
多くの名作ボディキットを生み出し、記録を樹立したことで世界にその名を轟かせてきた横幕代表。そんな稀代の名チューナーが、自身のライフスタイルに当てはめながら作り上げた作品、それがこの純白のZ32というわけだ。
各部のデザインは独特だ。フロントは、Z32オーナーの中でもステータスとなっている最終型のデザインを踏襲しつつ抑えたデザインとされているが、エッジの効いたリップを張り出させることでシャープな印象を作り出す。リヤにはディフューザー形状の下面デザインが踏襲され今流のトレンドを盛り込む。
フェンダーを通しで見ると、リヤのグラマラスな張り出しがよく分かる。その張り出しは片側約100mm。総幅1980mmは、灯火類などを含めて構造変更がギリギリ通せるサイズなのだという。リヤに組まれたタイヤのサイズは285/35R18。自然な形状に感じるフロントも片側30mm広げられている。
レーシーなサーキットイメージを払拭したかったので、リヤウイングは採用せずスポイラータイプで空力対策。バンパースポイラーによるボリューム感をバランスさせ、伸びやかな全長感覚を演出する。
なお、オプション設定のボンネットにはちょっとしたギミックが隠される。左右に開けられたダクトはもちろん、V型ツインターボのZ32を意識したデザインだが、センターの盛り上がり(バルジ)はRB26DETTなど直列6気筒エンジンの換装をイメージとしている。そこが、ヴェイルサイド流Z32の目指すところというわけだ。
コンプリートキット価格は130万円(2by2用)。レジェンドがひた向きな気持ちを込めた平成の名車、そのさりげなさに心引かれるユーザーも多いことだろう。
●取材協力:ヴェイルサイド TEL:029-838-1104
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