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RB26改2.8L+GTIIタービンで750馬力を絞り出す!
徹底した軽量化で車重は1340キロまでシェイプ
この漆黒のBNR34は、パワーチューニングを得意とする三重県の“エスプリ”が製作したサーキット仕様だ。
円熟のRB26DETTはもちろん、ボディ剛性やその他メカニズムも含めて第二世代GT-Rの完成形と言われるBNR34。しかし、車重はBNR32が1430kg、BCNR33が1530kg、BNR34が1540kgと、モデルチェンジごとに増しており、それが走りの性能をスポイルさせる原因にもなっていた。
そこでエスプリは、内装はもちろんヒーターやエアコンといった装備まで徹底的に排除。さらに、ドアパネルやトランクパネルはワンオフのドライカーボンパーツへ、サイド&リヤウインドウはアクリル製にそれぞれ変更するなどして、トータルで200キロ近い軽量化を果たしている。
エンジンチューンも抜かりなし。RB26DETTは、HKSの2.8Lキットで排気量を拡大。そこにGTIIタービンを組み合わせることで、最大ブースト1.5キロ時に750psものパワーを獲得。ピークパワーだけを求めるのではなく、Vカムシステムの装着で低回転域からトルクを立ち上げ、コーナーからストレートまで、全域で速さの底上げが行われている。エンジンマネージメントはF-CON Vプロだ。
軽量化の一貫として、排気パートもエスプリオリジナルでリメイク。素材は純チタンで、抵抗のない90φフルストレートとしている。
フル溶接留めの堅牢なロールケージが張り巡らされているものの、フロント側はカーペットまできっちりと装備。このアンバランスさがオーナーチューンドを物語るポイントだ。
「BNR34も、ステージに合わせたマシンの作り方はほぼ確立しています。ただ、そのセオリーに沿いながらも新しいパーツを使用してさらに細部を煮詰めていけば、まだまだ速くなる。そのため、やり尽くされたと考えるのではなく、まだまだこれからもやることは山積みと言えるでしょうね」とは、エスプリ前川代表。
チューニングが円熟期を迎えた感のある第二世代GT-Rだが、今なおGT-R専用パーツは登場し続けている。そうしたニューパーツを使いながらチューナーがアイディアを絞り出すことで、第二世代GT-Rはまだまだ進化していくというわけだ。
■SPECIFICATIONS
■エンジン:RB26DETT改2.8L、HKSキャパシティアップキット、GTIIタービン、エキマニ、Vカムシステム(IN&EX264度)、F-CON Vプロ4.0/ニスモ サージタンク/HPI エアクリーナー/トラスト オイルクーラー/エスプリ オリジナルチタンマフラー ■ドライブトレイン:ATS カーボンクラッチ、カーボンLSD ■ブレーキ:エンドレス ブレーキキャリパー、ブレーキローター ■エクステリア:ニスモ フロントバンパー、サイドステップ/エスプリ GTウイング ■ホイール:ボルクレーシングTE37SL ■タイヤ:ハンコック ヴェンタスTD(295/30-18)
●取材協力:エスプリ 三重県鈴鹿市住吉3-19-1 TEL:0593-70-8080
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エスプリ
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