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2JZ換装にGT-Rルック、そしてガルウイングにチルトボンネット・・・
思いつきのようで真剣勝負の作り込み!
このR35GT-Rのエクステリアを有する魔改造180SXは、名門“ビーレーシング”の故・今井代表が生前に3年の月日を費やして開発したエンジョイドリフトスペックだ。
当初は、180SXルックのままD1GP車両レベルまで各部を鍛え上げる計画だったそうだが、心臓部2JZ-GTEを換装したあたりで、ビジュアルにも拘ったカスタムカー的要素を加えようと方向転換。そして最終的に辿り着いたのが、エクステリアの完全R35GT-R化だったそうだ。細部を見ていく。
エンジン本体は、VVTi付きの後期型2JZ-GTEを換装。コストパフォーマンスを求めてエンジン本体には手を入れず、アダプトロニックのフルコンで可変バルタイまで含めて綿密に制御している。
組み合わせるタービンはGCGのGTX3580R。ブースト圧1.4キロ時に450psを稼いでいる。
ドリフト走行会でクーリングを入れずに走り切れるよう、冷却系には注意を払う。エンジンスワップを行なっているにも関わらず、180SX純正ファンシュラウドを使用しているのは今井代表の拘りだ。大容量ラジエターやオイルクーラーの導入はもちろん、ウォータースプレーも装備する。
足回りは、アームの取り付け位置や形状までドリフト用に最適化したスペシャルとなる。詳細は“秘密”とのことだが、今井代表の言葉を借りるなら「トラクションと切れ角はD1GPレベル」とのこと。
剛性面は市販のロールケージをベースに、エクストラバーを張り巡らせることでボディを徹底補強。バーが追加されているのは、ストラットタワー部やフロア下のサスメンバーなど、サスペンションからの入力を受け止める部分だ。ストックボディのチューンドでありながら、チューブフレームのレーシングカーに迫る剛強ボディに仕上げられているのだ。
あえてアナログメーターを並べ、メカニカル感を演出したコクピット。ダッシュボードはワンオフメイドで、ステアリングの左右には各種電源供給用の独立スイッチをレイアウトしている。
トランクルームには燃料の空打ちを防止するために、サードのコレクタータンクを設置。耐久性を配慮しつつ、美しさにも拘った造作がポイントだ。
「パッケージだけを聞くと“馬鹿だな〜”と感じるかもしれないけど、それも本望。チューニングカーって本来そういうものでしょ? 仕事の合間に、なるべくお金をかけないようにコツコツと仕上げた遊びグルマだよ」。
固定概念に捉われず、我が道を突き進む。今井代表のチューナー魂と遊び心を強く感じさせてくれた名チューンドだ。
●問い合わせ ビーレーシング 東京都町田市小川1704-1 TEL:042-799-7800
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