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昭和63年式ワンオーナーS13シルビア!
昭和な見た目とは裏腹な快速ツインチャージ仕様
新車購入から36年。S13シルビア一筋で走り続けるオーナーが今回の主役だ。ベース車両は元々CA18DET搭載モデルだったが、走行25万キロを機にSR20DETへのエンジン換装を決意。さらに、ただ載せ換えただけでは面白くないと、刺激的なストリート仕様への進化を求めて狙ってツインチャージャー化を実行したのである。マシンメイクを手掛けたのは名門“アートテック花塚”だ。
エンジン内部は、出力アップに耐えられるよう鍛造ピストンやH断面で強化。カムは街乗りが中心ということで256度を選択した。そして、低速からのトルク特性を高めることを目的に、専用ブラケットを製作してGTS7040スーパーチャージャーを装着。そこに直列パイピングでGTIII-RSタービンをセットすることで、低回転域からトルクフルな特性を持ちながら、高回転域でもターボのアシストを得ることに成功している。
エアフロは吹き返しに強いR35GT-Rのホットフィルムを流用し、燃料系も大容量フューエルポンプや550ccインジェクターでアップデート。パワーFCによる綿密なマネージメントで最高出力は400psに達している。
街乗りと通勤で使うことがメインなので、パワステやエアコンは欠かせない。そのため、ワンオフ製作されたスーパーチャージャー取付ブラケットは、ポンプ類を移動しながら装着できるようにレイアウト。奥に見えるのがGTS7040だ。狭いエンジンルームで製作に苦労したことが伺える。
エキゾーストマフラーはHKS製サイレントハイパワーマフラーをチョイス。S13シルビアのシャープなリヤビューには砲弾テールがよく似合う。
室内はシンプル&クリーンにメイキング。ステアリングはMOMOコンペティション、追加メーターは全てHKSの製品で統一している。ストリートカーということで、オーディオもロックフォードのユニットを組み合せて絶品の音響空間を作り上げた。
足回りはHKSハイパーマックスMAX IVベースのアートテック花塚オリジナルスペックでセットアップ。ホイールは往年のAVSモデル6で、タイヤには225/50R16サイズのポテンザRE-71RSを組み合わせる。ブレーキはR32タイプMのキャリパー移植で強化済みだ。
リヤウイングとカラーリングから前期モデルと判断できるS13シルビア。冷却のためフロントにGT-R風グリルをセットした以外、ほぼスタンダードな外観が保たれている。
なお、ツインチャージャー仕様は、ターボとスーパーチャージャーの位置関係でパワー特性が大きく変わる。このS13シルビアの場合は、レスポンスを徹底重視してタービンで過給した吸気をスーパーチャージャーに押し込むという、定番とは逆のレイアウトを採用している。
これが功を奏し、一般的な過給機チューンとは比較にならないほど低速からトルクが湧き上がるパワー特性を実現。日々の通勤から週末のワインディングまでストレスフリーに走れる、極上のストリートスペックに仕上がっているのだ。
●取材協力:アートテック花塚 栃木県那須塩原市上厚崎324-8 TEL:0287-62-3218
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