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450馬力を発揮するFJ20改2.1L+K27MOJターボ仕様!
時代を感じるパーツチョイスだが戦闘力は一線級だ
今なお多くのファンを持つ6代目スカイライン(R30系)。その後期型「鉄仮面」には、インタークーラーレス190ps仕様のRSターボと、インタークーラー付きでタービンの小型化によるレスポンスアップを実現した205ps仕様のRSターボCが存在する他、それぞれに運転席パワーシートやクルーズコントロールを備えた上級グレードRS-Xシリーズもラインナップされた。
宮城県富谷市に店舗を構える実力派チューニングショップ“スクリーン”が手掛けたこのDR30は、205ps仕様のRSターボCがベースで今でこそ走る機会が減ったというものの、元々ゼロヨン仕様として製作された1台だ。
ところどころ剥がれたカムカバーの赤い結晶塗装が時代を物語るFJ20ETエンジンではあるが、その中身は強烈。純正2mmオーバーサイズとなる東名91φ鍛造ピストンで排気量を2.1Lまで拡大すると同時に、パワーアップに対する耐久性の向上を狙って、コンロッドはクロワー製I断面に交換。さらに、ヘッドにはIN/EXともに272度のHKSカムシャフトが組まれ、吸気系には効率アップを狙ってインフィニティ90φスロットルとワンオフサージタンクを導入する。
組み合わされるタービンは往年の名機「K27MOJ」だ。HKSのフルコンF-CON Vプロによる制御で、最大ブースト圧1.7キロ時に最高出力は450psに達する。
ノーマルは向かって右側のバンパー裏にインタークーラーが装着されるが、コアサイズはミニマム。タービン交換に伴ってブリッツ前置きインタークーラーが導入され、パワーに見合った冷却性能を手に入れている。
ブレーキマスターシリンダーの近くに装着されたハースト製ラインロック。フロントだけにブレーキを効かせて容易にバーンナウトを行える、ドラッグ仕様ならではのメイキングだ。
大幅なパワー増強に合わせて駆動系も強化。ミッションをノーマルのFS5W71BからR33スカイラインの71Cに換装して、パワーに対する耐久性を高めながら、同時にシフトフィールの改善も実現している。また、ジャダーを防ぐためにデフマウントのリジッド化を行っているあたりも、ゼロヨン仕様ならではのメイキングと言っていい。
一方の足回りは、ドラッグ仕様の減衰力特性とされたエナペタル改車高調整に、ベステックス(F)/HKS(R)スプリングという組み合わせだ。ブレーキはパッドのみルービックスに交換される。
ホイールは、ノーマル比2インチアップとなる17インチのSSR GPシータが組み合わされる。サイズはフロント8.0J、リヤ9.0J(オフセットは共に+37)で、順に5mmスペーサー、30mmスペーサーを装着することでフェンダーに対する張り出し量を最適化。
コクピットはゼロヨン仕様ならではのメイキングだ。ダッシュボードには追加メーターがズラリと並ぶ。メーターパネル右側にトラストブースト&排気温計、左側にアペックス油温計とオートメータータコメーター、センターコンソールには大森の水温/油温/排気温がセットされる。
シートは運転席のみレカロLXに交換してサポート性アップ。また、センターピラーを持たない2ドアモデルは4ドアモデルに比べてボディ剛性が低く、ドア落ちなどの症状が出がち。ロールケージ装着などで剛性アップを図るのは有効な策と言える。
さらに、オールペンでリフレッシュしたボディやカッコ良さに拘った車高にも注目。走り良し、ルックス良しのDR30は、全方位に渡って隙のない仕上がりを見せているのだ。
●取材協力:スクリーン 宮城県富谷市成田9丁目1-17 TEL:022-348-3761
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