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最新タービン&ウエストゲート投入でリフレッシュ!
FJ20改2.4L仕様で700馬力を絞り出す
今回の主役は、DR30スカイライン一筋でチューニング人生を歩んできたというオーナーの愛機だ。
ベースこそ1984年式と古いが、パフォーマンスは間違いなく現行スポーツモデル以上。グリップが低いセントラルサーキットでゼロヨン9秒7を叩き出し、OPTION誌の最高速企画ではオーバー330km/hをマークしたほどのモンスターなのである。
ノーマルで購入してから20年余り、RB26には目もくれずFJ20に拘り続けたオーナーだからこそ辿り着けたスーパーチューンドと言えるが、ここにきてパワートレインの仕様変更を敢行。その目的はタイムアタックへの対応というものだ。
エンジンは、ドラッグチューニングを得意とする“ザウルス“によるもので、FJ20のまま腰下にOS技研の2.4Lキットを組み込んで排気量アップ。エンジン搭載位置は、車体側に5〜7cm、下方向に9〜10cmほどオフセット。これは低重心化を狙いつつ、空いたスペースに巨大なインタークーラーを中置きレイアウトすることで、前後の重量配分も最適化するためのテクニックだ。
タービンは、以前のT88-33Dからギャレット最新のG40に変更。このモデルは高効率なビレッドインペラーがコンプレッサーに組み込まれ、コンパクトなコア設計でシャフトも短くブレが発生しにくい。さらに、エキゾーストブレードにはインコネル合金が、エキゾーストハウジングには新素材のニッケル系超合金がそれぞれ使われている。特性面からも材質面からも大きく進化した最新スペックなのである。
さらに注目なのが、ターボスマート製の新構造ウエストゲート。これは従来のポペットバルブ式ではなく、スロットルなどと同様のバタフライバルブを採用した注目の逸品。この構造により、排気圧力の影響を抑えてスムーズな流量コントロールが可能となる。
エンジン搭載位置の変更に伴って、ブレーキのマスターバックやシリンダーも他車種用に変更。サージタンクも完全な専用設計だ。エンジンマネージメントはこれまで同様にHKSのF-CON Vプロ3.4で行われる。最高出力はオーバー700psの設定だ。
エキゾーストマフラーは90φストレートモデルを採用。このワンオフマフラーの製作をきっかけに、オーナーとザウルスの付き合いが始まったそうだ。
足回りは近代化チューンを敢行。フロントはサスメンバーからアーム類、車高調まで全てS14シルビア用を移植。リヤはBNR32用サスメンバーをゴッソリ移植してマルチリンク化し、トラクション性能を高めている。
足回りはザウルス謹製のオリジナルサスペンションシステム「REX」でセットアップし、ブレーキ関係は前後ともにBNR32用を移植。タイヤ&ホイールはフロントに8.5Jの235サイズ、リヤには9.5Jの255サイズを収めるため、鉄板溶接によってオーバーフェンダー化される。
レースパックIQ3ダッシュロガーのみでシンプルにまとめたメーターレイアウト。ロールケージはフル溶接留めの8点式。シートにはレカロのRS-Gをセットする。室内は後部座席はもちろんルーフなどの内張りまで全て撤去された非常にスパルタンなメイキングだ。
BNR34のシフトノブが付いているが、ミッションはHKSの6速シーケンシャルドグだ。サイドブレーキにセットされたスイッチはラインロックのコントロール用。
フロントバンパー下のアルミ製リップは、最高速チャレンジ直前に突貫で製作されたワンオフ品。現在ではこの車両のトレードマークにもなっている。
「まだまだ慣らし状態ですが、狙い通り劇的にパワーバンドが広がりました!」とは、マシンメイクを担当するザウルスとっくりさん。令和に入っても進化が止まらない至宝のフルチューンDR30。今後の動向に注目したい一台だ。
●取材協力:ガレージザウルス 埼玉県狭山市入間川4-8-16 TEL:04-2968-9212
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