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走りとスタイル、双方を自分流に極める
トラブルをチャンスに変え、着実なステップアップを続ける!
グラマラスなラインを描くブリスターフェンダーに視線を奪われてしまう、GC8クーペ。22B-STiバージョンを彷彿させるスタイルに加えて、心臓部も2.2L化された、走りとスタイルの双方でオーナーが理想を満たすために作り上げてきた1台だ。
「最初はST202セリカをフルノーマルで乗っていたのですが、その当時はWRC全盛期。トヨタ、三菱、スバルが戦いを繰り広げている最中。一番気になっていたのがGC8だったこともあって、乗り換え時は新車で販売されていたGDBではなく、迷わずGC8の2ドアクーペを探しました。ただ、憧れていた22Bは500万オーバーで手が届かなかったため、22BルックのエアロバンパーでカスタムされていたバージョンVIの2ドアクーペを中古車で購入。吸排気や足回りだけチューニングして、街乗りで楽しんでいました」とは、オーナーの津谷さん。
しかし、愛車に迎え入れてから10年近くトラブルフリーだったGC8に、ミッションブローという思わぬ緊急事態が発生。自宅近くの有名店として気になっていた“フェニックスパワー”に修理を依頼したことをきっかけに、それまで津谷さんの中で朧気だった理想がどんどん明確なものとなっていく。
パワーユニットは、アクセルを踏み返した際のパンチ力が欲しいとのリクエストを受けてフェニックスパワーが製作したEJ20改2.2L仕様。ヘッドにはJUNのハイカムを組み、タービンはGTⅢ-RSでブースト圧1.6キロ時に426.5ps&57.9kgmを発揮する。インジェクターはサードの850ccで、パワーFCでマネージメントを行なっている。
ストリート仕様ということでDジェトロ化は行わず、計測キャパシティに優れるインフィニティQ45の90φエアフロを投入。扱いやすさとポテンシャルを両立するためのセットアップだ。
GC8の魅力は軽さにあるとの考えから、エキゾーストマフラーにはガナドール製のチタンモデルをチョイス。優れた排気効率はもちろんのこと、ストリート走行でも心地良いレーシングサウンドが味わえるお気に入りのアイテムだ。
トランスミッションはGDBの6速MT流用も考えたが、100kg近くの重量増になるため、大幅なパワーアップ後も5速MTのまま。ATSのカーボンツインクラッチと丁寧なシフトワークで労っている。
インテリアはブルー基調の純正をブラッシュアップするように、ステアリングやシートをコーディネイト。コンディション管理を徹底するため、視認性の良いダッシュボード上やAピラーに追加メーターを設置する。
車両購入時から装着されていたラ・アンスポーツのWRルーフスクープ。見た目だけのダミーではなく、ルーフベンチレーターも備えている。
劣化してきた塗装をオールペイントでリフレッシュする際に、ラ・アンスポーツの22Bワイドボディキットを投入してワイド化。リヤはスムージング仕上げとするなど、拘りを凝縮する。
ボリュームあるフェンダーに見合う足元を構築すべく、ホイールには18インチのBBS RI-Aを投入。ブレーキもエンドレスのキャリパーシステムへとアップデートし、パワーに見合った制動力を手に入れた。
「ミッションの修理ついでにフェニックスパワーで色々相談したら、それまで抱えていた疑問や不満が解消される提案が数多く受けられたのは非常にラッキーでした。理想のスタイルと、MTで痛快に走る楽しさが味わえる大切な愛車なので、乗り替えようとは思いません。ここからは、末長く楽しめるように経年劣化の対策に力を入れていくつもりです」と津谷さん。
一般的に「スポーツ4WD=走り」といったイメージは強いが、こうしたスタイルでチューニングとカスタムの双方を楽しむのもクルマ遊びの醍醐味。理想を突き詰めたGC8クーペだからこそ、周囲の視線を惹きつけるオーラを放っているのだと納得させられた次第だ。
●取材協力:フェニックスパワー 福井店:福井県坂井市丸岡町朝陽2-317 TEL:0776-67-2980/京都店:京都府久世郡久御山町佐古外屋敷37-2 TEL:0774-48-1157
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フェニックスパワー
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