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電気自動車推進派には見せられない衝撃作・・・
テスラがアメリカンマッスルに大変身!
2030年までに新車販売の50%を電気自動車などにする目標を発表したアメリカ。今後、急激なEVシフトが予想されるが、その大きな流れに抗う(!?)存在をSEMA2021の会場で発見した。
ブラウンカラーのこのテスラモデルS、なんと最先端のEVシステムを捨て去り、ガソリン垂れ流しのアメリカンV8エンジンへとコンバートしてしまったのである。パイピングやアダプター類を専門とするカナダのパーツサプライヤー“Vibrant Performance(バイブラント・パフォーマンス)”からの出展だ。
本来トランクルームであるフロントフード内に鎮座するGM製のLS3型6.2L V8エンジン。エンジンルームという呼称は本来不適切だが、なんの違和感もなくアメリカンV8が収められたこの空間をそう呼ぶことに異論を唱える人はいないだろう。
サイドにレイアウトされたエキゾーストマフラーもインパクト抜群。オールドスクールなチューニングカーを意識したメイキングがこのテスラのキャラクターを物語る。
内燃機関化に合わせてフロア下に敷き詰められたバッテリーは全て撤去。そこにS1シーケンシャル製の6速シーケンシャルドグミッションを軸にした、3ペダル式の伝統的なFR駆動レイアウトを構築している。エンジンマネージメントはハルテックのフルコンが担う。
ベースがEV車両のため、燃料タンクも新設。リヤトランク内にラディウム製レース用ガソリンタンクとバッテリーを美しくマウントしている。
ガソリンの給油口は、左リヤサイドマーカー内部に隠されている。マーカー本体を押し込むと開閉できる仕組みだ。
ギラギラと輝くホイールは、WELDの鍛造3ピースモデル“S77HD”。ブレーキはテスラ純正をそのまま使っている。
コンバートEVならぬコンバートV8という時代に逆行するアプローチで仕上げられた問題作。しかもそのベースが、イーロン・マスク肝入りのハイテク電気自動車だというのだから、往年のチューニングフリーク達にとっては痛快以外の何者でもないだろう。
●取材イベント:SEMA SHOW 2021