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30年以上の歴史を誇る東京オートサロンだが、ここまで“長い”出展車両は後にも先にもコイツだけだろう。全長はなんと12メートル。東京オートサロン2014の会場で話題を独占した、超巨大バニング「バットマン号」だ。(OPTION誌2014年3月号より抜粋)
12mの巨体でもまさかの自走移動が可能!?
バニングという枠を超越したフルカスタムハイエースが登場!
全長12m、横幅2m49cm、全高4m、車重3.5トンオーバー…。もはや、建造物と言えるほどの壮大なスケールである。
モチーフになっているのはハリウッド映画『バッドマン』でお馴染みのバッドモービル。FRPを駆使して製作された外装は、ここまでくると大道具さんがスタジオセットを作る感覚に近い。
ベースは100系ハイエースだが、2台の車両をドッキングして超ロング化。耐重量を考慮した結果、タイヤは6輪仕様に…。
おまけに、ボンネットレスであるはずのハイエースにヴェルファイアの顔面がフェンダーごとスワップされていて、もはやベース車の面影は皆無だ。製作費は軽く2000万円を超えるというが、それが高いのか安いのかすら判断できないほどの作り込みだ。
オーナーの森さんがこんな規格外のマシンを作ろうと思ったのは、カスタムの世界で日本一を目指したから。そんな熱き想いが爆発した結果の産物というわけだ。
新幹線のようなフロントフェイスだが、ノーズ部は電動で格納できるギミックも搭載。その理由は「これが無いと車庫入れができないので…」とのこと。
車体の両サイドに搭載する主翼も本来は稼働するが、さすがにショー会場では通行の妨げになってしまうため、残念ながら格納されたままの状態となっていた。
リヤ周りも圧巻だ。ホンダS-MXのテールランプを10連装し、最後部にはJUKEのテールをインストール。そしてナンバープレート設置部はマジェスタから移植するなど、様々な車種のパーツを組み合わせてモディファイを敢行している。
このバッドマン号においては、NOSもパワーアップを目的とはしていない。完全なパフォーマンス用と割り切って、前後左右にノズルを設置。フルパージ仕様というわけだ。ちなみに、フル充填で5万円かかるという大型タンクを4本も搭載していたりする。
宇宙船のような雰囲気に仕上げられた車内には、15インチ×8発、8インチ×16発のウーファーが整然と並ぶ。駆動は1000W×5基、3000W×1基のパワーアンプで行われている。
完全なハリボテ仕様かと思いきや、建具のプロが本気で製作したというフルFRPのエクステリアは、かなり堅牢な作りとなっており、それを証明するかのようにオーナーの森さんはルーフウイングの上から「強度抜群ですよ!」とアピール。
ちなみに、このバッドマン号は公認車検を取得済みで、ETCレーンもギリギリ通過できるそう。今回はスムーズな搬入を行うべく12トンのセルフローダーに載せてきたそうだが、イベントへの自走参加も可能。何から何まで“規格外”の一言だ。