「打倒!国産チューンド」これが日本最速のアウディTTだ!!【東京オートサロン2022】

オーバー700馬力で国産チューンドに挑むモンスター!

ワイドボディ化でさらに戦闘力アップ

もはや国産車と輸入車の垣根は無くなり、近年は走行会やタイムアタックシーンでもインポートスポーツ車が確実に増加している。ここで紹介するのは来シーズンのサーキットタイムアタックをターゲットに、APRジャパンがチューニングプロジェクトを展開中のアウディTT RSだ。

イエロー基調のバイナルグラフィックが施されたマシンは2020年の東京オートサロンで初披露されたが、さらなる戦闘力の向上を目指して進化を果たしたのが、この“APR TT RS740 CUP”。

その最大の変更点となるのが、独Muggianu製のTTカップ仕様ワイドボディキットの採用だ。前後とも片側4インチ(約10cm)の拡幅で、フロントのスプリッター(アンダースポイラー)やスワンネックタイプのリヤウイングは、本物のツーリングカーレース用を採用している。

ワイドフェンダー化によりホイール&タイヤはAPR製10.5Jにフージャー295/30R19サイズの装着が可能になった。

駆動系はミッションコンピュータにAPRのDQ500プログラミングをインストール。DSGのクラッチはスペシャルタイプで強化。デフはWavetrackの電子制御タイプで、スマホの専用アプリで前後トルク配分が変更できる。

サスペンションはアメリカのレーシングサスペンションメーカーMCS製の3WAY式車高調を装着。別タンク式で完全なレーシングスペックだ。

さらにフロントメンバーは、軽量高剛性でローダウン化によるロールセンター補正効果も備えたパイプタイプに変更。前後ともアーム類は調整式のフルピロボールタイプとなっている。

パワー系はAPRのstage3プログラムでチューニング。内容は純正ベースのハイブリッドタービンTTE700にインタークーラー、インテーク&インレットパイプ、EXマニ、スポーツ触媒など。それをAPRの代名詞でもあるECUチューニングで制御し、E85アルコール燃料仕様で740psを獲得している。

排気系はAPRダウンパイプに加え、新たにirom製のワンオフレース管を装着。ちなみに、フルパワー時の燃費は500m/Lというから、筑波を1周するために4.0Lものガソリンが必要ということになる。

インテリアもブラッシュアップが図られていて、MOMOのフルバケットシートの他、ロールケージが追加されている。

2020年に参加したドラッグレース(ドラッグフェスティバル)では、9秒台を連発して周囲を驚かせたAPR TT RS740 CUP。2022年はサーキットシーンで新たな旋風を巻き起こしそうな気配だ。

ストリート仕様のチューンドTT RSも同時展示!

そしてAPR TT RS740 CUPのストリートバージョンと言うべき存在が、群馬県のインポートカスタム専門店“Jファクトリー”のTT RSだ。「自走でサーキットを楽しむ」というコンセプトのもと、スマートなエクステリアとは裏腹にパワー系から足回りまでフルチューンと呼べる内容なのである。

エクステリアは英国オートモーティブ パッション製のエアロパーツで、フロントスプリッター、エアインテークガイド、カナード、サイドスカート、リヤディフューザー、リヤウイングで構成。

2.5Lの5気筒ターボエンジンは、APRのステージ3プログラムでチューニング。APRのECUチューニング“ダイレクトポートプログラミング”は燃料に合わせたプログラミング変更がスマホで行えるが、この車両では市販ハイオク仕様の600ps仕様となっている。

マフラーはJファクトリーがプロデュースするiromブランドで、一見ノーマル風の大径オーバルテールが拘り。アウディS/RSのパフォーマンスを追求したメイドインジャパンの高性能エキゾーストシステムだ。

ホイールはバフ仕上げのボルクレーシングTE37SAGA(10J×18)に、アドバンA052(255/40-18)の組み合わせ。足回りは米国MCSの車高調の他、メンバーをバークライン製に変更しつつブッシュ類もフルピロボール化。エンドレス製のブレーキシステムは特注だ。

インテリアはオーストラリア製の4点式ロールバーとブリッドXERO CSフルバケットシートをセットして、しっかりとサーキット走行に対応させている。

こうしたトータルチューンの結果、昨年末の筑波サーキット走行会でターザン山田選手のドライブにより1分0秒2のタイムをマーク。今後セットアップが進めば1分切りは確実、その実力の高さは本物なのである。

PHOTO&TEXT:川崎英俊
●取材協力:APRジャパン TEL:092-883-9222 / Jファクトリー TEL:0277-77-0588

【関連リンク】
APRジャパン
http://goapr.jp/
Jファクトリー
http://www.jfac.co.jp/

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