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スタイルCbで独創的シャコタンメイク!
パーツチョイスもマニアックすぎる・・・
ZN6型86には様々な特別仕様車が存在するが、「スタイルCb」ほど異端なモデルはないだろう。2015年に400万円オーバーで市販されたものの、あまりに個性が強すぎて全く売れず、歴史の闇に葬られた(?)モデルだ。そんなスタイルCbで個性を追求するオーナーの愛機が今回の主役。
「このクルマの前はカプチーノに乗ってました」という発言からも分かる通り、オーナーは根っからの丸系ヘッドライトフェチ。86を買うならスタイルCb一択と心に決め、中古車市場で時間をかけながら好みの個体を探したという。
『クールビューティ』を謳うスタイルCbだけに、オリジナルでも十分にスタイリッシュなのだが、オーナーは「手に入れたからにはノーマルでは面白くない!」と、生足のまま極限までローダウンしながらリヤスタイルを大幅にモディファイ。独創的なスタイルに磨きをかけていったのだ。
リヤフォルムはダムドのLFT-86ボディキットでコンプリート。レクサスLFAを連想させる大型のアウトレットダクトが斬新だ。ちなみにトリプルエキゾーストもダムドの製品となる。
エクステリアのアクセントとなっているのがTRDのリヤウインドウルーバー。リヤの視界を妨げず、上方から室内に入る太陽光を遮ってくれる。
エンジンルームは、ポップなイメージを求めてタワーバーやヒューズボックスなどをピンクにペイント。さらに、Rマジックのサクションパイプやブリッツのエアクリーナーなど、レッド系の配色を加えることで統一感を演出する。
インテリアも凄まじい。ボディカラーに合わせて、ダッシュボードやコンソールにホワイトのスエード調クロスを貼り付け、シートもホワイトのキルティングカバーでドレスアップ。水色の水中花シフトノブとサイドブレーキレバーが、アクセントとして効果を発揮している。
オーナーが最も拘ったという足回りは、HKSのハイパーマックスMAX IV GTを軸に構築。アライメント調整の自由度を高めるために、フラットウェルの調整式アームを投入しているのもポイントだ。そこにレトロフューチャー感が漂うドイツ製のシュミット・THラインをインストール。サイズは前後ともに18×9.0Jだ。
ただ闇雲にパーツを装着していくのではなく、スタイルCb本来の個性を尊重した絶妙なバランス感覚。目指す方向はどうであっても、他のクルマとは違う、自分だけの1台を作り上げる。そんなチューニングの基本とも言える明確な意思を、この86から感じずにはいられない。
取材イベント:86 BRZ AVENGERS
PHOTO&REPORT:渡辺大輔