「同じホイールを20本近く所有・・・!?」母から受け継いだAE92“ダサカロ”とボルクレーシングを愛し続ける男

ベースは“ダサカロ”こと4ドアセダンのGT!

多車種用パーツを流用しオンリーワンのスタイルを構築

コンパクトスポーツとして誰もが知るカローラレビンとほぼ共通のパッケージを有し、通称“ダサカロ”と呼ばれているのが4ドアセダンのGT。かつてはFRベースのE70系やE80系が峠のドリ車ベースとして一世を風靡したが、じつはセダンGTはレビンの最終モデルとなったE110系にまで存在し、JTCCをはじめモータースポーツでも活躍していたのだ。

ここで紹介するのは、FFとなった最初のモデルE90系の4ドアセダンGTで走りとチューニングを楽しんでいる林さん。車両型式はレビンと共通のAE92だ。

元々はお母さんが新車で購入したもので、「小さい時に幼稚園の送迎や買い物に連れて行ってもらったクルマなんですが、旧車が好きだったこともあって、中学生の頃には『免許を取ったらこれに乗ろう』と決めてました」という新車ワンオーナーものと呼べるレアな1台だ。

完全なノーマル状態からコツコツ仕上げたマシンは走りの雰囲気が漂うが、チューニングにあたっては専用パーツが皆無に等しいため他車種用を流用。美しいレッドマイカカラーのボディは、純正色でオールペンを施したものだ。

名機4A-Gエンジンは、オーバーホールの際にヘッドガスケットをTRDのメタルタイプに変更。タコ足はタナベでマフラーは自作のワンオフ品。スポーツタイプのエアクリーナーは汎用品をネットで調達して製作したものだ。

程よいローダウンを実現している足回りは、フロントがホンダストリーム用イデアル車高調、リヤがAE111用バーディクラブのフロント用ショートショックを加工して装着。リヤのロアアームは金属製のブロックをかまして延長加工を施している。

室内はフロントシートをブリッド製のリクライニングバケット(ブリックス/エルゴ)に変更。

その他、水中花入りのシフトノブやリヤの据え置き型スピーカーなどで90年代の走り屋スタイルを演出している。

そして林さんが最も拘っているのが、足元の決め手となっているホイールのボルクレーシンググループC。1986年にデビューしたボルクレーシングの歴史的名作だ。

マッシブな5本スポークデザインは、当時人気を集めていた通称グループCレース(全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権)マシンに採用されていたもので、軽量化のためにスポークに設けられた卵形のディンプルが特徴となっている。林さんのAE92セダンが装着しているのは前後とも8.0J+50×16インチの3ピースタイプで、ワイドトレッドスペーサーの追加によりツライチスタイルを実現している。

さらに話を聞いてみると、林さんは装着のセット以外にもグループCばかりを多数所有しているというから驚いてしまう。「ベストなマッチングを探りながら集めた結果、6.5J×15から8.0J×16まで合わせて20本くらいあると思います」とのこと。

取材した“レイズファンミーティング”にも、ストックの中から2ピースモデルのグループCVをトランクに積んできて披露してくれた。じつに変態的な林さんだが、AE92セダンとともに歩む今後のカーライフとホイールコレクションの進展に期待したい。

PHOTO&REPORT:川崎英俊
●取材イベント:2022 RAYS FAN MEETING

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