「850馬力の弾丸GT-Rが攻める!」老舗の情熱がほとばしるBNR34フルチューンスペック

ドラッグマシンから周回アタック仕様へとリメイク!

ステージを選ばない速さを見せつける850馬力仕様

このやる気に溢れたBNR34は、実力派チューニングショップ“アートテック花塚”が手掛けたフルチューンスペック。オーナーの要望で、ドラッグ仕様からサーキット仕様へとリメイクが慣行されているのが特徴だ。富士スピードウェイではすでに1分47秒233という好タイムをマークしており、そのパフォーマンスは紛れものなく本物だ。

心臓部はHKS2.8Lステップ2キットで腰下を強化し、ヘッドにはVカムプロキットやポート加工を施す。そこにT51R-SPL-BBタービンを組み合わせて、ブースト圧2.2キロ時に850psを発生させる仕様だ。広いトルクバンドを確保することで、この高出力をサーキットで使い切ることも一つの目標に作り込んでいる。

排気系は、HKSのEXマニからアートテック花塚オリジナルのチタンフロントパイプを経て、チタンマフラーに繋がるレイアウト。チタン特有の乾いた高周波サウンドも魅力だ。

足回りは、HKSのハイパーマックスMAX-VI GTの40周年記念モデルをベースにしたオリジナル。スプリングレートはフロント12kg/mm、リヤ10kg/mmだ。さらに各種アーム類もイケヤフォーミュラの調整式を投入し、コースに合わせたフレキシブルなセッティングを可能にしている。

ブレーキはドラッグ仕様から大きく変更されたポイントの一つ。重量級のBNR34をしっかりと止めるために、エンドレス製のシステムで強化。フロントがMONO6キャリパー+370mmローター、リヤがMONO4キャリパー+355mmローターの組み合わせだ。

ホイールはボルクレーシングTE37RT(11J×18)で、タイヤにはアドバンA050(295/35-18)をセット。ボディサイドのステッカーは、このホイールの赤みに合わせてカラーリングを決めたという。

室内は追加メーターが乱舞するスパルタン仕様だ。メインメーターには、ワンオフのドライカーボンパネルを介してレースパックのデジタルメーターをインストール。センタークラスター部にもワンオフパネルに追加メーターと各種コントローラーを埋め込んでいる。ミッションはホリンジャーの6速シーケンシャルドグだ。

トランク部には、安全タンクの下にコレクターを配置した珍しい落下式のレイアウトを構築。燃料タンクからコレクターへ燃料を送るポンプが不要になるため、配管のシンプル化や軽量化など様々なメリットがある。これはドラッグマシンのノウハウだが、今後はさら重心の最適化を狙ってレイアウト変更を検討しているそうだ。

花塚代表が「お遊び程度だよ。テストも十分じゃないし」と話すが、富士での好タイムマークに大きく貢献したのがこのフロントアンダースポイラー。全開アタックではこれでもフロントリフトの傾向にあるというからハンパではない。

枠に捉われないこうしたマシンメイクは、花塚代表自らがドラッグレースもサーキットアタックも大好きで、自身の経験に基づいたアプローチを積極的に展開できるチューナーだからだろう。アートテック花塚が名門たる所以を強く感じさせてくれるドラッグ改サーキット仕様だ。

●取材協力:アートテック花塚 栃木県那須塩原市上厚崎324-8 TEL:0287-62-3218

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アートテック花塚
http://www.at-hanatsuka.co.jp/

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