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ジャパニーズクラシックカーショー(JCCS)2022潜入レポート Part.2
毎年アメリカのカリフォルニアで開催されている、ジャパニーズ・クラシック・カー・ショー(JCCS)。アメリカ中のジャパニーズクラシックカーマニアが集うこのイベントにて発見した、ハイレベルなチューンド旧車たちを全3回に分けてレポートしていく。
1.8Lエンジンにスーパーチャージャーをプラス
当時の北米マツダに在籍した日本人デザイナーの俣野努(トム・マタノ)さんがデザインし、アメリカでもヒットした初代ロードスター(アメリカではミアータMX-5)。1.8LのBP-ZE型にはジャクソン・レーシングのスーパーチャージャーと調整式カムギアが備わり、出力特性をアップ。古めかしい見た目に改造されたヘッドカバーも旧車らしさの演出か。
逆に新鮮なノーマルフェンダーのクリーンなFD3S
パッと見はノーマル然とした雰囲気だが、エンジンはユーノス・コスモの13B-REW型2ローターに換装され、ボルグワーナーS366タービンで過給。エンジン内部のラージストリートポート加工を施し、Vマウントも実現するなど、拘り満載のエンジンルームでありながら、ボンネットを閉じればホイールだけ交換したノーマル風のFD3Sにしか見えない。これはニクい。
有言実行のアクティブ・カーボンRがJCCSに参戦!
2021年のSEMAに出展し、大きな話題となったガレージアクティブのフルカーボンR。以前のJCCSで坂本代表は「ここにカーボンR持ってきたら目立つやろうなあ〜」と言っていたのだが、有言実行の参戦と相成った。外板パネルから内装のカーペットに至るまでドライカーボンで製作されたR32型スカイラインGT-Rはインパクト絶大。巨大なカーボン製ファンネルを備えたHKS製タービンも注目を浴びた。
数奇な運命を経てJCCSに降臨!
90年代にトラストがデモカーとして製作し、最高速テストなどで活躍したトラスト・グレッディRX S-ROCが、アメリカは西海岸のイベントであるJCCSに登場。じつは南米パラグアイのコレクターが所有していたことが判明し、アメリカのGPP(グレッディ・パフォーマンス・プロダクツ)と現オーナーが買い上げ、現在に至っている。チューニング黄金期の生き証人は、アメリカで第二の人生をスタートさせるところだ。
ワイド仕様のZ32にハイパフォーマンスエンジンを搭載
TwinZのフロントとSPDV6のリヤを掛け合わせたワイドボディを実現したZ32型フェアレディZ(アメリカでは300ZX)。VG30DETT型V6ツインターボエンジンは、ワイセコのピストンやイーグルのH断面コンロッドなどを有するIPPステージ4ロングブロックをベースにチューニングを施し、ハイパフォーマンスを獲得した。
ホイールはアメ鍛ブームの黎明期からシーンを支え、最近オーナーシップが変わったことで再び存在感を見せているDPE(ダイナミック・パフォーマンス・エンジニアリング)のEVO5Sというモデルを履く。
話題のプライベートビルダーが最新作をクリエイト
かつて、ガルフカラーをまとったRB25換装ダットサン240Zを製作したことで知られるリチャード・マドランバヤンが、また別のダットサン240Zを新たに作り出した。今回も完全オリジナルのワイドボディを具現化し、エンジンは排気量が6.2Lに達するLS型V8を採用する。
車高調には段差を超える際など一時的に車高を高めることができるエアカップが仕込まれ、そのためのエアタンクが燃料タンクとともにラゲッジルームに収まる。ホイールはSSRのフォーミュラメッシュエアロで、ワイドフェンダーと深リムの美学を追求している。
Photo:Akio HIRANO TEXT:Hideo KOBAYASHI
●取材イベント:Japanese Classic Car Show 2022