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ジムニークラス新設に合わせて急遽エンジンを新作して搭載
ハイブースト180馬力仕様の潜在能力はこんなもんじゃない!
唯一無二の存在であるスズキ・ジムニーに、“サーキットタイムアタック”という新たな遊び場が加わり盛り上がりを見せていることは再三レポートしてきているが、2023年2月18日に開催された“Attack筑波”にて、ついにジムニークラスが新設された。
初のジムニーSLクラスに参加したのは、はるばる北海道からの遠征組も含め、全国から筑波サーキットにやってきた精鋭10台。その中からWEB OPTIONがまずピックアップするのは、タイムアタックジムニーの仕掛け人“横ヒレ”こと横尾代表自らがドライブする“レインボーオート”のワークスマシンJB23だ。
「いつか規定タイム(筑波1分9秒999以下)をクリアして“アタックKクラス”に参加したいと思っていたのですが、急遽クラス新設となってビックリです。時間はありませんでしたが出来るかぎりのことはやろうと、エンジンの作り直しと筑波専用のサスペンションを用意しました!」と、お馴染みの真紅のキャンディ号を前に横尾代表は説明してくれた。
メタリックブルーのヘッドカバーがアクセントのK6Aエンジンは、オリジナル強化ブロックにモンスタースポーツの鍛造ピストンとハイカムをセット。
タービンは三菱製のTD03で、専用のマニホールドとアウトレットを含みレインボーオートでキット化。各パーツは200psオーバーにも対応できる堅牢な設計で、今回はブースト設定をこれまでの1.4キロから1.8キロにアップ。最高出力は180psに達している。それに合わせて、エンジンのヘッドガスケットもオリジナルの強化品を投入する。
エンジン制御はレインボーオートが得意とするLINKフルコン。オリジナルサージタンクには他車種流用の電子式スロットルも装備し、アンチラグやオートブリッピングなどの制御も実装している。
サスペンションは筑波コース2000専用の試作タイプ。タイムを削るために必要となる左側タイヤのトラクションアップを狙ったもので、20段調整式の全長調整式ダンパーはフロントの減衰力を大幅にアップ。バネレートはフロント7kg/mm、リヤ8kg/mmをチョイス。
その他、今回変更が施されたのがフロントホーシング。従来のJB23純正からFRモデル「J2」用としたことで、大幅なバネ下重量軽減を実現。ブレーキ系はフロントにブレンボキャリパー、リヤは放熱性に優れたオリジナルアルフィンドラムを装着する。
ホイール&タイヤはボルクレーシングA-LAP(6.5J×16)とアドバンA052(205/55)の組み合わせ。マイナス15というホイールオフセットに加え、フロント50mm、リヤ30mmのワイドトレッドスペーサーも追加して、限界までトレッド拡大を狙った設定となっている。
今回はセッティング時間が十分でなかったのに加え、クリアラップもうまく取れず。ベストタイムは1分14秒949に留まってしまったが、潜在的なポテンシャルは参加車の中でもピカイチの存在。ジムニー勢の目標である10秒切りも、確実に視界に入ってきたと言えるだろう。
REPORT:川崎英俊/PHOTO:金子信俊&川崎秀俊
●取材イベント:Attack筑波2023
●問い合わせ:レインボーオート 千葉県柏市酒井根688-2 TEL:04-7176-8207
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