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的確なボディ剛性と耐久性重視のパワーユニットで筑波を駆ける!
近年はAE86専門店のイメージが強い“テックアート”だが、元々は車種を選ばず、エンジンからボディメイクまでこなすマルチなチューニングショップとして名を売っていた。今回紹介FC3Sは、そんな名門ショップとオーナーが二人三脚でマシンメイクを進めたタイムアタック仕様だ。(OPTION2誌2013年11月号より抜粋)
FC3S最速を目指したユーザーチューンド
改めて“テックアート”というチューニングショップの想像力と技術力の高さに驚かれた次第だ。製作にあたっては、一切の制約無しでサーキットを走りたいとの想いからナンバーレス化。約半年を費やして、一般的なストリートチューンドからクローズド専用のスペックへとリメイクしていったそうだ。
中でも気を使ったのがボディメイク。FC3Sの弱点とされるリヤセクションのボディ剛性を高めるべく、リヤゲート周辺は徹底的に補強。ロールケージは完全溶接留めとし、ピラーとの隙間には大きなガゼットプレートを当てて剛体化している。リヤシート位置に確認できるシルバーのボックスはATLの安全タンクだ。
心臓部は、FC3S前期の低圧縮ローターを組んだ13B改サイドポート拡大仕様。アペックスシールは純正2分割にWPC加工を施して耐久性を高めている。組み合わせるタービンはレスポンスに優れるターボネティック製で、常用出力は450psに到達。冷却系のVマウントシステムは、テックアートによるワンオフスペシャルだ。
サスペンションは、テックアートのオリジナル車高調を軸にセットアップ。スプリングレートは前後14kg/mmだ。タイヤはスタイリングも重視してフロント17インチ、リヤ18インチの組み合わせ(アドバンA048)となる。
一方のコクピットは、戦闘機をイメージして直線と曲線を組み合わせたというアルミ板ダッシュボードをセット。メーターは見やすさを重視し、あえてデフィのアナログ表示のタイプを選択している。
そして拘りのエクステリア。フロントバンパーはVマウント化に適した開口部を持つ製品としてカーサービスヒロ製をチョイスし、タモンデザインのリップスポイラーを加工して一体化。これらのボディワークもテックアートによるものだ。その他の部分は、ボルテックスのGTウイング以外はタモンデザイン製で統一。なお、FD3Sの5型用フロントマーカーにはドライビングランプを埋め込んでいる。
マシンの完成後、筑波サーキットでのシェイクダウンは問題なく終了。今後は各部のセットアップを煮詰めていきながら、目標である筑波FC3S最速の称号を目指していくという。オーナーとテックアートの挑戦は、まだ始まったばかりだ。(OPTION2誌2013年11月号より抜粋)
●取材協力:テックアート TEL:048-994-2081
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テックアート
http://www.tecarts.com/