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ECUチューンを軸にした最先端チューニング
ウィークポイントを改善してFK8を本気で走れる1台に仕上げる!
FK8型シビックタイプRのECUチューンがまだ未知の領域とされていた頃から、いち早く攻略にチャレンジしてきた“フェニックスパワー”。FK8に搭載されているボッシュ製のECUユニットはまだ国産車への採用例が少ないために情報が乏しかったのだが、国内外のネットワークを活かしてECUチューニングを可能にしてきた。
ECUの解析が終了した時点ですでに380psものパワーを手に入れていたが、現在ではさらに20psを上乗せすることに成功。マフラー交換とECUチューニングというライトなメニューで、400psを可能にしているというから驚きだ。
ちなみに、ボッシュ製ユニットにデータを書き込むには、ECUアンロックまたはジェイルブレイクと呼ばれる作業が必要となる。これは、ECUの蓋を開けて直接基盤にアクセスする非常に繊細な作業で、初めてコンピュータチューニングを行う際には来店するかユニット本体を送らなければならない。
とはいえ、そうした作業も最初の1回のみで、それ以降はOBDIIポートから自由に書き込めるようになる。なお、フェニックスパワーがチューニングデータの構築に使用するツールはアメリカ製のK-TUNERで、オリジナルの『アプリケーションCPUデータ』は18万8000円で絶賛発売中だ。
デモカーが装着しているマフラーはアペックス製のRS-X。単体装着でも約15psくらいのパワーアップ効果があったというからハンパではない。
足回りは、フェニックスパワーも開発に参加したアラゴスタ製の車高調でセットアップ。ノーマルダンパーを外してもキャンセラーによってエラー表示を回避することが可能だ。
国際サーキットでの連続周回を想定し、ブレーキはエンドレス製のキャリパーシステムにチェンジ。強烈な制動力と剛性感のあるタッチで安心して走りを楽しむことができる。
「NAエンジンでは吸気側(ないしは吸排気の両方)に使われているVTEC機構ですが、ターボ版のK20Cでは排気側のみに装備されていることが大きなポイントですね。燃調や点火時期なども含め、このVTEC機構を上手に活かしながらセッティングをするのがパワーを出す肝です」とは、フェニックスパワー横山代表。
続けて「最大ブースト圧1.8キロ弱で400psオーバーというピークパワーはもちろんですが、2000rpmという低回転域からブーストが立ち上がるし、高回転域ではほぼタービンの能力を使い切っているところまできている。現時点での完成形だと思っています」。
このオリジナルアプリケーションCPUによるチューニングプログラムは『+Rモード』に書き込まれるため、日常はノーマルデータを使用して全開アタック時に400psを解放する…という使い分けができる点も見逃せない。
余談だが、FK8はマフラーまでノーマルだったとしてもECUチューンのみで390ps辺りが狙えるらしく、逆にインタークーラーなどが大型化されていれば410psも視野に入ってくる。 現行のFL5型に負けないタイプRを作りたいFK8乗りは、問い合わせてみてはいかがだろうか。
●取材協力:フェニックスパワー 福井店:福井県坂井市丸岡町朝陽2-317 TEL:0776-67-2980/京都店:京都府久世郡久御山町佐古外屋敷37-2 TEL:0774-48-1157
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フェニックスパワー
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