レイバックで釧路周辺をドライブ

スバル・レヴォーグ レイバックLimited EX 全長×全幅×全高:4770×1820×1570mm ホイールベース:2670mm

7月18日からスバル・レヴォーグ・レイバックの新しいテレビCMの放映が始まっている。雄大な自然のなか、砂煙を上げながら駆け抜ける姿が印象的だ。木々に囲まれた道や、海辺を走る様子も収められている。未舗装路を走るシーンに多くの尺が割かれているが、さすがはスバル車、砂や土がよく似合う。舗装路を安全・快適に走れるのはもちろん、オフロードを同じように走れるのがスバル車に共通する特徴である。

レイバックはレヴォーグをベースに大径タイヤを装着したのに加え、サスペンションメンバーと車体の間にスペーサーを入れることで車高を上げている。インプレッサをベースにクロストレックを仕立てたのと同じ手法で、最低地上高は200mm。ベース車より55mm余裕が生まれた。オフロードはもとより、積雪路でありがたみを感じる数値である(この季節に想像しづらいが)。

ここが涙岬。我々は行けなかったが、素敵な場所だ。
ちなみに東京から釧路までクルマだと約20時間かかるという。途中、青森から室蘭のフェリーに乗るルートだ。まさにグランツーリング。

新CMの撮影地は北海道・釧路の東側に位置する涙岬だそう。荒波に削られて切り立った断崖が絶景を生み出している。釧路空港(たんちょう釧路空港)を起点にレイバックをドライブし、CM撮影地を訪れるつもりではあったのだが、ドライブ中に「そういえばCM撮影地はどのあたりだろう」と助手席の同乗者に尋ねたところ、「もう過ぎちゃった」との答えが。はて、我々はどこに向かったのでしょうか(答えは後ほど)。

スタートは釧路空港(たんちょう釧路空港)

釧路市湿原展望台

霧に包まれた釧路市湿原展望台。

釧路空港でレイバックLimited EXに乗り込んだ我々は、最初の経由地に「釧路市湿原展望台」を選んだ。「雄大な釧路湿原を眺められる」との触れ込みである。空港からは20分程度のドライブだった。

北海道らしい美しい道路をのびのびと走る。スバルの良さが活きる道だ。

レイバックには久々に乗ったが、「こんなに大らかなクルマだったか」と感慨を新たにした。乗り心地面に関するクルマの動きがゆったりしている。長い距離を移動するのに良さそうだ。路面補修跡の段差や補修がされず放置されて、ひび割れや穴がランダムに現れる区間、それにスピードバンプのような段差の乗り越えが苦にならない。何ごともなくスッといなしてしまう。じゃあヤワかというとそんなことはなく、コーナーでは旋回外側に過度に倒れこまず安定した姿勢を保ったままだ。要するにしなやかであり上質で、ドライブが快適だ。

最新のSUBARUモデルらしく、センターには縦長の大型ディスプレイがある。

そんなことを感じながら釧路市湿原展望台に到着したわけだが、あたり一面の霧であった。台風を追いかけるようにして空港に降り立った時点で想像はついていた。機上では横風が許容値を超えているので、現時点では着陸できない。上空で50分旋回できる燃料を積んでいるが、それでも風が収まらなかったら羽田に引き返すと機長から脅された。いや、報告を受けたうえでの釧路空港着である。釧路の地を踏めただけでも儲けものの気分だ(いや、ホントに)。

展望は望めないにしても、湿原の雰囲気は味わっておくかと遊歩道に向かった。案内看板には「1周約2.5kmあり、だれでも軽装で気軽に釧路湿原を展望・観察できる」と記してある。そう誘っておきながら遊歩道の入口に「ヒグマ出没注意」の看板があり、否が応でも目に飛び込む仕掛け。注意を無視して先に進む勇気はなく(たぶん体力もない)、即座に引き返した。

釧路町地産地消センター ロ・バザール

釧路町地産地消センター ロ・バザール
釧路の特産である仙鳳趾産の牡蠣や昆布森産の昆布などが買える。

筆者のたっての希望で約24km先の「釧路町地産地消センター ロ・バザール」を経由し、そこからさらに約39km先の「道の駅 厚岸グルメパーク 厚岸味覚ターミナル コンキリエ」に向かった。ここでランチをとる算段である。空港からコンキリエまで76.5kmを走り、燃費は15.7km/Lだった。

道の駅 厚岸グルメパーク 厚岸味覚ターミナル コンキリエ

厚岸といえば、もう俄然、牡蠣である。筆者は苦手なのだが……。食した同乗者は「美味!」と満足していた。
まるごと花咲かにのクリームパスタ。美味だ。

周囲の状況を考えればオアシスのような拠点で、ここでランチをとっておくのがベターだ(とのアドバイスに従った)。「オイスターバール ピトレスク」で「まるごと花咲かにのクリームパスタ」をいただく。厚岸(あっけし)が牡蠣(かき)の名産地であることは先刻承知していたが、筆者は苦手なのでパスした(ついでに言っておくと、ジンギスカンもウニも苦手である。北海道に向いてない? いや、いくらとカニは好きです)。厚岸、牡蠣好きにはたまらない訪問地だろう。

厚岸蒸留所製ウイスキーのミニチュアボトル。欲しくなるではないか。

バールの名がつくだけあってアルコール類を扱っており、店内に厚岸蒸留所製ウイスキーのミニチュアボトルが置いてあるのが目についた。蒸留に欠かせないポットスチルをかたどっているようで物欲をそそる(ウイスキーは好きです。ジンもビールも好きです)。食後に階下のショップを覗いてみたが、現在は扱っていないとのこと。

レヴォーグより上質なレイバック。大人が憧れる上質な時間をともに過ごしたい。
スバル・レヴォーグ レイバックLimited EX
全長×全幅×全高:4770×1820×1570mm
ホイールベース:2670mm
車両重量:1600kg
乗車定員:5名
最小回転半径:5.4m
燃料タンク容量:63ℓ
エンジン
型式:CB18
形式:水平対向4気筒DOHCターボ
排気量:1795cc
ボア×ストローク:80.6mm×88.0mm
圧縮比:10.4
最高出力:177ps(130kW)/5200-5600rpm
最大トルク:300Nm/1600-3600rpm
燃料供給方式:筒内直接噴射
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量:63L
トランスミッション:チェーン式CVT(リニアトロニックCVT)
燃費
WLTCモード:13.6km/L
市街地モード 10.0km/L
郊外路モード 14.5km/L
高速道路モード 15.3km/L

車両価格:399万3000円

厚岸蒸留所

ここからはレヴォーグに乗り換え

こうなると執着は増すばかりで、一般公開はしていないと知りつつ蒸留所まで足を伸ばし、記念撮影だけ済ませて退散した。ウイスキーの蒸留所がある土地と知っているからそう感じるのか、どことなくスコットランドをイメージさせる風景が広がっているように見えた。夏なのにどんより曇って風が強い天候も影響したかもしれない。

レヴォーグで一路、納沙布岬へ 燃費は?

スバル・レヴォーグ  STI Sport R-Black Limited  車両価格:468万6000円
レヴォーグでのSTI Sportの販売比率は50%を超えるという。

コンキリエでレヴォーグSTI Sport R-Black Limitedに乗り換えた。1.8Lエンジンのほうで、パワートレーンはレイバックと同じである(2.4Lエンジン車の設定もある)。すなわち、CB18型の1.8L水平対向4気筒直噴ターボエンジンを積んでいる。最高出力は130kW/5200-5600rpm、最大トルクは300Nm/1600-3600rpmだ。WLTCモード燃費は13.5km/L。燃料タンク容量は63Lである。

レイバックと同じくCB18型1.8L水平対向4気筒ターボを積むが、レヴォーグの方がスポーティな走り味だ。
エンジン
型式:CB18
形式:水平対向4気筒DOHCターボ
排気量:1795cc
ボア×ストローク:80.6mm×88.0mm
圧縮比:10.4
最高出力:177ps(130kW)/5200-5600rpm
最大トルク:300Nm/1600-3600rpm
燃料供給方式:筒内直接噴射
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量:63L
納沙布岬まであと15km。

グランドツーリングの目的地は本土最東端の納沙布岬(のさっぷみさき)に定めた(のは助手席の住人である)。コンキリエからは約100km。道中ほとんどが片側1車線の一本道である。走ってみてわかったことだが、約80km先の根室市街地に至るまで、ほとんど信号はない。1時間半ほどで着く計算だが、先行車のペース次第で状況は変わりそうだ。途中、スローペースで走る大型トラックに何台か遭遇したが、追い越し可能区間では、トラックの直後にいるクルマから順に追い抜いて行く様子が見て取れた。

本土最東端の納沙布岬。天気が良ければ千島列島の西端の島が見える。北方領土である。

例にならって追い越しを仕掛けてみたが、このときばかりは「レヴォーグで良かった」と心底思った(パワートレーンは同じなので、『レイバックでも良かった』はずである)。瞬発力に優れているので、もたもたすることなく、追い越しがあっという間に終了する。行こうかどうしようかと迷わずに済みストレスがない。納沙布岬へのドライブでは大いに助けられた。

レイバックLimited EXとレヴォーグSTI Sport R-Black Limitedでは乗り味が対照的だったのも印象に残っている。レイバックはどちらかというとラグジュアリーな乗り味。快適性に振った味つけだ。いっぽう、レヴォーグSTI Sport R-Black Limitedは完全にスポーティである。動きがシャキッとしている。が、乗り心地は悪くない。路面をいなすように走るのがレイバックなら、レヴォーグはなめるように走る感覚だ。

グランツーリングの相棒に最適なSUBARUレヴォーグ。254.5km走り、燃費は15.2km/L。

減衰力可変ダンパーの効果が大きいように思う。ドライブモードのセレクトでパワートレーンの制御などとともにダンパー減衰力の特性も変えることができるが、真っ直ぐな道を淡々と走る状況が長く続くルートではあったが、そのほとんどを脚の動きが引き締まる方向となるSportを選択して走った。余計な揺れがなくビシッと収まる安定感が安心感につながるし、快適に感じた。疲労軽減にもつながったように思う。

納沙布岬にたどり着いてみれば周囲はやはり真っ白で、北海道最古の洋式灯台は白い風景に溶け込みそうだった。強風のせいで波も白い。ともかく、「本土最東端に行ったことがある」と言える実績は残した。レヴォーグの記念撮影をしてとんぼ返り。釧路市内の目的地まではルートの95%超が下道で約150km。レヴォーグに乗り換えてから254.5km走り、燃費は15.2km/Lだった。

釧路フィッシャーマンズワーフMOO

釧路フィッシャーマンズワーフMOO
釧路フィッシャーマンズワーフMOOのなかの炉端焼き屋さんで、ホタテ貝と牡蠣を焼いて食す。グランツーリングの目的のひとつは、これだ。

夜は釧路フィッシャーマンズワーフMOO付近を散策。霧は幻想的なムードを演出する格好のツールとなっていたが、翌朝の空港まで霧に包まれていると「帰れるのか?」と不安になるから困りものである。

スバル・レヴォーグ STI Sport R-Black Limited  車両本体価格:468万6000円
スバル・レヴォーグ  STI Sport R-Black Limited 
全長×全幅×全高:4755×1795×1500mm
ホイールベース:2670mm
車両重量:1570kg
乗車定員:5名
最小回転半径:5.4m
燃料タンク容量:63ℓ
エンジン
型式:CB18
形式:水平対向4気筒DOHCターボ
排気量:1795cc
ボア×ストローク:80.6mm×88.0mm
圧縮比:10.4
最高出力:177ps(130kW)/5200-5600rpm
最大トルク:300Nm/1600-3600rpm
燃料供給方式:筒内直接噴射
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量:63L
トランスミッション:チェーン式CVT(リニアトロニックCVT)

WLTCモード:13.5km/L
市街地モード9.9km/L
郊外路モード14.3km/L
高速道路モード15.4km/L
車両本体価格:468万6000円