ZC31S型:5万km以下の個体が40万円から (販売:2005年9月〜2010年9月)


専用の2ドアボディだったHT型スイフトスポーツに対し、ZC31S型では標準スイフトの5ドアをベースとして専用バンパーやルーフエンドスポイラー、2本出しマフラーなどの装備によって精悍なイメージが追加されている。
最大の特徴は搭載される1.6L自然吸気エンジンだ。エンジンピストンは高強度な鍛造品が採用され、補機類に関しても吸気効率を高める専用アルミ製インテークマニホールドや、油温上昇を抑える水冷式オイルクーラーなどを装備。シャシーに関しても4輪ディスクブレーキ化とホイールの5穴PCD114.3mm化に加え、サスペンションにも専用の手が加えられている。
中古車の販売価格帯は20万〜100万円となっており、そのなかでも5万km以下の個体は40万円からと比較的安価だ。
中古で購入するなら、5速MTの1〜2速間がクロスレシオ化されたほか、横滑り防止装置も標準装備となった2007年5月以降のモデルがおすすめだ。ただしZC31S自体の流通量が非常に少なくなっており、良好なコンディションの個体をみつけるのは難しいかもしれない。
ZC31S スズキ スイフトスポーツ
ボディサイズ=全長3765mm×全幅1690mm×全高1510mm
ホイールベース=2390mm
車両重量=1060kg(MT)1070kg(AT)
タイヤサイズ=195/50R16(前後)
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン
排気量=1586cc
最高出力=125ps/6800rpm
最大トルク=148Nm/4800rpm
トランスミッション=5速MT/4速AT
駆動方式=2WD(FF)
ZC32S型:状態良好な在庫は減少傾向(販売:2011年12月〜2016年12月)


「The sporty flagship」をコンセプトとして開発されたZC32S型には、先代から引き続き1.6L自然吸気エンジンのM16A型が搭載される。
可変吸気システムや吸気VVT制御の最適化、バルブリフト量増加などによってエンジン最高出力は11ps向上。ホイールは17インチ化されたほかブレーキシステムもさらに強化され、足回りもスポーティにチューニングされている。
トランスミッションは2~5速ギヤをクロスレシオとした6速MTと、パドルシフト付7速マニュアルモードを採用したCVTの2種類だ。ただし、CVTはマニュアル変速を多用すると内部部品の摩耗を引き起こす恐れがあるとして、スズキではCVTの保証期間の延長で対応している。特別な理由がなければ、CVTモデルの購入は避けるのが賢明と言えるだろう。
幸い、ZC32Sの中古車の6割ほどがMTだ。中古車価格帯は40万〜150万円となっており、5万km以下の個体は比較的安価な60万円から購入できるが、状態良好な個体の在庫は少なくなりつつある。
次期型として販売されたZC33Sはターボエンジンとなるため、自然吸気エンジンが好みならZC32Sを探して乗るのが良いだろう。
ZC32S スズキ スイフトスポーツ
ボディサイズ=全長3890mm×全幅1695mm×全高1510mm
ホイールベース=2430mm
車両重量=1050kg(MT)1070kg(CVT)
タイヤサイズ=195/45R17(前後)
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン
排気量=1586cc
最高出力=136ps/6900rpm
最大トルク=160Nm/4400rpm
トランスミッション=6速MT/CVT
駆動方式=2WD(FF)
ZC33S型:走行5万km以下の相場は120万円から(販売:2017年9月20日〜)


先代までの自然吸気エンジンから一転して、ZC33S型では1.4L直噴ターボエンジンが搭載された。出力の向上幅は大きくないが、大幅なトルクアップとトルクバンドの拡大が図られており、高回転を多用するのではなくトルクで走らせる車両特性に変わった。
6速MTはシフトストロークのショート化やシンクロメッシュの高容量化などが図られ、シフトフィールも大きく改善。ZC33S型ではCVTに代わり6速ATが採用され、2ペダルモデルでも十分にスポーツ走行が楽しめるようになっている。
新プラットフォーム「HEARTECT」の採用によりボディ剛性を高めながら70kgも軽量化され、車両重量はMT/ATモデルともに1t以下だ。ボディはベースモデルから50mmバンパーを延長し、トレッドも30mm拡大。それに合わせて前後フェンダーも左右各20mm拡幅されており、ZC33S型はシリーズ初の3ナンバーとなった。
歴代スイフトスポーツのなかで中古車の在庫数はもっとも多く、中古車販売価格帯は100万〜250万円で、走行距離5万km以下の個体は120万円からが相場だ。
発売当初は、自動ブレーキやアダプティブクルーズコントロールがオプションだったが、2020年5月以降のモデルは全車標準装備化された。
1.6L自然吸気エンジンを搭載した旧型よりも加速性能に優れるうえ燃費も良好。そのうえ排気量区分が一つ下であり支払う自動車税額もわずかに少ない。価格はやや高いものの、ZC33S型は現状もっとも買い得感が高いスイフトスポーツと言えるだろう。
ZC33S スズキ スイフトスポーツ
ボディサイズ=全長3890mm×全幅1735mm×全高1500mm
ホイールベース=2450mm
車両重量=970kg(MT)990kg(AT)
タイヤサイズ=195/45R17(前後)
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボエンジン
排気量=1371cc
最高出力=140ps/5500rpm
最大トルク=230Nm/2500-3500rpm
トランスミッション=6速MT/6速AT
駆動方式=2WD(FF)
