開発の背景・概要
本サービスは、磁界ノイズ※2 による車載電装品の耐性を確認する試験で、今年度改定が予定されている国際規格や、欧州自動車メーカーが定める独自基準の高周波数要求にも対応する試験環境を構築した。2026年度売上目標は8,500万円。これにより、自動車機器メーカーの技術開発に貢献し、グローバル市場への参入が支援される。
近年、地球環境への配慮や環境規制強化を背景に、電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など次世代自動車の開発が加速している。さらに、自動運転やカーエレクトロニクスの高度化が進む中、車載機器の高電圧化・大電流化により高周波の磁界ノイズによる誤動作や通信障害のリスクが高まっている。こうした状況を受けて、電磁両立性(EMC※3)確保の重要性が一層高まり、磁界イミュニティ試験の国際規格ISO11452-8では、2025年度の改定で400kHzまで拡大される予定とされている。加えて、一部の欧州自動車メーカーの独自規格では、最大1,000kHzが求められている。しかし、国内では、高周波数帯域に対応可能な委託試験所は限られており、多くの自動車機器メーカーは海外の試験所を利用せざるを得ず、費用や開発期間の面で課題となっていた。
今回、OEGは、ISO/IEC17025の認定試験所としてこれまで蓄積した技術とノウハウを活用し、ISO11452-8で今後改定が予定される400kHzの要求を大きく上回る1,000kHzまで対応可能な試験環境を整備し、国内委託試験所としていち早く国際規格および顧客の高周波数要求に応えている。
これにより、顧客は、海外試験所で実施されてきた高周波数帯域の磁界イミュニティ試験を国内で実施可能となり、費用や時間の削減など、技術開発の効率化を実現できる。また、試験中の故障・不具合発生時も評価・解析までワンストップで対応が可能だ。
今後、OEGは、磁界イミュニティ試験をはじめとするEMC試験サービス事業をさらに拡充し、BEV・PHVの開発や関連部品の品質・信頼性向上に取り組む顧客を支援し、日本のものづくりの技術革新と国際競争力の強化に貢献していく。

販売計画
- 標準価格:個別見積
- 販売目標:年間8,500万円(2026年度)
- サービス提供開始時期:2025年8月19日
【注釈】
- 磁界イミュニティ試験:
電磁両立性(EMC)評価の一つで、電気・電子機器が意図しない外部からの磁場(磁力線の変動)が原因で、誤動作しないか、その耐性を評価する試験。ループアンテナで磁界を生成し、車載電装品への影響を確かめる試験。 - 磁界ノイズ:
電子機器や回路に悪影響を与えるノイズ(妨害信号)のこと。 - EMC(Electromagnetic Compatibility)
電子機器が周囲の電磁環境の中で正常に動作する能力のこと。
