
一部のスポーツカーユーザーが「CROSSCLIMATE 2 SUV」支持したという事実
オールシーズンタイヤとはあまり縁がないように思えるスポーツカーだが、ミシュランでいえば、2022年7月発売の「CROSSCLIMATE 2 SUV」を装着するスポーツカーのユーザーもいるという。なお、この「SUV」ではスポーツカーへの装着は推奨していなかったそうだ。
スポーツカーに乗っていてもサーキット走行やスポーツ走行するドライバーばかりではないだろう。スポーツカーであっても安全かつ快適に移動したい、という需要もあるはずだ。

ミシュランの「クロスクライメート」シリーズを軽く振り返ると、2015年にヨーロッパに初めて投入され、日本には2019年に「CROSSCLIMATE+(クロスクライメート・プラス)」として発売された。市場の成長やニーズに合わせて2021年には「CROSSCLIMATE 2」、「CROSSCLIMATE 2 SUV」に進化させている。
同シリーズで初めてスポーツカーに対応する「クロスクライメート3スポーツ」は、スポーツカー、プレミアムカーがターゲット。ミシュランは、一例としてGR86、BMW4シリーズ、メルセデスAMG GLCクーペをあげているが、もちろんこれ以外の車種も想定している。
こうしたスポーツカーや高級車ユーザーが購入時に重視するポイントとして、「快適性(乗り心地/静粛性)」がトップ。以下、「非積雪路でのグリップ(ウエット/ドライ)」、「高速安定性」、「積雪路面での走行性能」、「ハンドリング」をあげている。
なお、オールシーズンタイヤ全体では、上から順に「快適性(乗り心地/静粛性)」、「非積雪路でのグリップ(ウェット/ドライ)」、「積雪路面での走行性能」、「低燃費性能」、「摩耗のしにくさ」となっている。

スポーツカーユーザーも快適性の高さを最重要視しているのは少し意外な気もするが、これには高級車も含まれている。高速安定性やハンドリングもポイントにあげているのは当然だろう。「クロスクライメート3スポーツ」では、安全性能はもちろん、運転する喜びをオールシーズンタイヤでも実現することを掲げたという。
「クロスクライメート2」からは「ハンドリング」、「静粛性」、「ウェット性能」、「スノー性能」、「低燃費性能」を引き上げ、トータルバランスを重視するミシュランらしい性能向上を盛り込んでいる。なお、耐摩耗性は「2」と同等レベルだという。
コンパウンドは、「クロスクライメート2」や「クロスクライメート3」と同等だが、「スポーツ」向けにチューニングを行っている。オールシーズン専用トレッドコンパウンドの「サーマル・アダプティブ・コンパウンド2.0」を初採用し、スノー性能に加えて、高いドライとウェットグリップを確保するという。転がり抵抗ラベリング「A」を維持しつつ、ウェットラベリング「a」を獲得していて、相反する要素を両立している。

そのほかの技術面では、「クロスクライメート3」と同様に、高いウェット性能、スノーブレーキ性能をもたらすセンターグルーブの「Vシェイプ・テクノロジー」を採用。Vシェイプのトレッドパターン中央のグルーブが排水性、排雪性を向上させる。
静粛性を引き上げる「ピアノ・アコースティック・チューニング・テクノロジー」も「クロスクライメート3」も同様に搭載されている。サイズの異なるブロックを最適配置し、不快感をもたらす周波数帯のノイズを効果的に削減できるという。
「ダイナミック・レスポンス・テクノロジー」と呼ぶ技術も「クロスクライメート3」向けに搭載されている。「パイロットスポーツ」シリーズにも使われている技術で、ドライ、ウェットはもちろん、急な降雪にも対応し、スポーツタイヤに求められるハンドリングを実現する技術。ウェットラップタイムは、「クロスクライメート2」よりも約2.4%短縮したという。

そのほか、「クロスクライメート3」と同様に、上質な黒を実現したサイドウォール部の「プレミアムタッチ」を採用。この「クロスクライメート3スポーツ」では、全サイズにフルリングプレミアムタッチを用意している。
2025年10月から順次発売される「クロスクライメート3スポーツ」。発表時のサイズは、18〜21インチ。タイヤ幅は205〜295、扁平率は35〜55となっている。欧州での装着ニーズの高いサイズ展開からスタートしている。前作の「クロスクライメート 2 SUV」は、17インチも用意しているため、今後のサイズ追加も期待される。
