日産北米地区会長は、Z NISMO(日本名:フェアレディZ NISMO)に6速MTが搭載されることを正式に発表。長年の課題だったマニュアル仕様非設定の問題がようやく解決しそうだ。

現行のZ NISMOは最高出力420ps、520Nmのトルクを発揮するが、トランスミッションは9速ATのみという仕様だった。
マニュアルトランスミッションは、標準モデルのZに搭載されているものと同じものが採用される可能性が高く、米国市場で2027年頃の発売が見込まれている。

日産Zは市場で最速のクーペではないかもしれないが、最も楽しいスポーツカーのひとつと言える。だからこそ、日産が最高峰のNISMOモデルを発売した際に、9速ATのみというトランスミッションの選択肢しか用意しなかったのは、多くのファンにとって驚きだった。しかし、ついにマニュアルトランスミッションが設定されることになった。つまり、レカロ製バケットシートの間にクラッチペダルとシフトレバーが配置されるのだ。

日産北米地区会長のクリスチャン・ムニエ氏は、Auto Newsのポッドキャストで「NISMOにマニュアルトランスミッションを搭載する予定です」と明言した。具体的な時期や仕様、その他の変更点については言及していないが、この発表自体が、同社のフラッグシップスポーツカーに対する日産の戦略転換を意味しているといっていいだろう。

現行のZ NISMOは、他のZモデルと同じ3.0L V型6気筒ツインターボエンジンを搭載しているが、最高出力は420ps/313kW、最大トルクは521Nmにチューニングされている。これは標準モデルよりps20ps/15kW、最大トルク46Nm多く、強化ブレーキ、より硬質なサスペンション、リミテッドスリップデフ、より攻撃的なボディワークも特徴となっている。

詳細な情報はまだ発表されていないが、マニュアルトランスミッション搭載のNISMOは、標準モデルのZに搭載されている6速MTを、ギア比は変更される可能性はあるものの、そのまま採用すると思われる。米国での発売時期については、2026年という予測もあるが、2027年の方が現実的とみられる。

しかし、日産が裏で開発を進めていた可能性もあるので、予想より早く発売される可能性もある。通常、既に一部のグレードにマニュアルトランスミッションが設定されている車種に、さらにマニュアルトランスミッションのグレードを追加することは、それほど大きなニュースにはならないだろう。しかし、Z NISMOの場合は話が違う。この車の特性を考えると、マニュアルトランスミッションの有無は非常に重要な要素といえるからだ。

Z NISMOは、シボレーコルベットやBMW M4といった競合他車ほど速くはないし、操作性も優れているとは言えない。だからこそ、日産がZの最大の魅力である「走りの楽しさ」を強調するのは当然のことといえる。
Z NISMOは、あらゆるドライビングシーンで純粋に運転を楽しむことを求める熱心なファンにとって、まさに夢のような車だ。そこに、マニュアルトランスミッションという要素が加わることで、その魅力はさらに際立つだろう。

日本市場への導入は正式発表されていないものの有力視はされており、導入時期は米国とほぼ同じく2026年から2027年になりそうだ。
