
今回のモデルは「IS300h」と「IS350」の2種を設定。
「熟成」を開発のキーワードとし、これまでISが追求してきた「ドライバーがクルマと対話できる気持ちのいい走り」「アグレッシブでスポーティなデザイン」にさらに磨きをかけた。
走りに於いては気持ちのいい操舵感と車両安定性のさらなる進化をめざし、電動パワーステアリング(EPS)ではバリアブルギヤを採用することで交差点や連続コーナーでの操舵角を抑え、より快適な操舵フィーリングを追求。
加えて、リニアソレノイド式AVS(Adaptive Variable Suspension system)を採用し、車両挙動安定性と路面からのショック低減を高次元で両立し、さらなる気持ちの良いドライビングを実現したという。
新型ISがアピールする特徴は次のとおりだ。
1.ドライバーとの対話に優れた走りの熟成
・電動パワーステアリングは、低慣性モーターを採用、従来のラック同軸式からバリアブルギヤのラック平行式にあらため、リニアな操舵フィールを実現。
コーナーの連続するワインディング路から高速道路でのレーンチェンジに至るまで、さまざまな場面でのスムースなハンドリングを楽しめるようにしたという。
・AVSは、従来のステップ式アクチュエーターから、新開発の内蔵式リニアソレノイドアクチュエーターを採用したことにより、従来より減衰力応答性が約4倍向上。
応答性のよい可変減衰力により、フラットなばね上の挙動と路面入力によるショックの低減を両立させた。


2.ISらしいアグレッシブさを突き詰めたエクステリアデザイン
・ブレーキダクトを取り込み、低く構えたスピンドルグリルで、低重心、かつワイドなスタンスをさらに強調した新たなフロントフェイスに変え、ISらしいアグレッシブさとスポーティさをより際立たせたデザインへと刷新させた。




<F SPORT>
・空力性能を強化した新形状のリヤスポイラーを採用。フロア下から車両背後に巻き上がる気流を増加させることでリヤの揚力を低減し、優れた空力操安性能を実現した。

・ボディカラーは、スポーティに駆け抜けるような走りの世界観を表現したニュートリノグレーを新たに加えた、計8色を設定。
このニュートリノグレーは他のLEXUS車でもおなじみのカラーリングだ。
他に外観では、アルミホイールに力が入れられ、各車各様のバリエーションが用意されている。
<IS350/IS300h”F SPORT“>
新意匠の軽量アルミホイールを新設定。
細軸スポークのタイトなデザインにグロスブラックメタリックを施し、優れた運動性能をより際立たせてくれる。
メーカーオプションでは、LEXUSロゴ入りレッドブレーキキャリパーも用意。

<IS350/IS300h”version L“>
19インチアルミホイールは、従来のシャインシルバーメタリックからダーククリア塗装+切削光輝に変更。
グロスブラックをベースに切削光輝処理を与え、スモーククリアを塗装することでより引き締まった足元を演出する。
<IS350/IS300h>
18インチアルミホイールは、従来のシルバーメタリックからダークプレミアムメタリックへと塗装色を変更。
奥行き感とスポークの立体感により、タイト&スポーティなイメージを強調する。
3.運転に集中できる環境をめざしたインテリアデザインと最新マルチメディアシステム採用
・マルチメディアを大刷新。ドライバー席周辺の表示操作系は、人間工学に基づいた機能レイアウトとしたことに加え、レクサスのスムースな視線移動、「Tazuna Concept」の思想に基づき、デザインと使いやすさの両立を徹底追求している。

・センターディスプレイを全車12.3インチタッチパネルディスプレイに統一。
搭載位置と角度を工夫することで、センターディスプレイの高さがドライバー視界を妨げず、走行中でも操作しやすいコクピットを構築した。

・液晶メーターを12.3インチフル液晶メーターに変更、視認性を向上させた。
シンプルで理解しやすいグラフィックを用いるとともに、多様なユーザーニーズに応えられるよう、表示コンテンツの細かなパーソナライズにも対応している。



・コンソール上面とスタートスイッチベゼルのオーナメントパネルには、LEXUSのブランドシグネチャーマテリアルとして活用してきた竹材を用い、新たに「Forged bamboo」を開発して採用。
材料そのものに織り込まれた竹繊維による唯一無二の特徴的な陰影が、ISの力強い躍動感とスポーティなインテリアを演出する。


・インテリアカラーには、新規開発色の「PROMINENCE(プロミネンス)」を設定。
太陽を覆う神秘的な紅炎をイメージした彩度の高いカラーリングが、室内のアグレッシブでスポーティなイメージを演出する(“F SPORT”)。
・インストルメントパネル、センターコンソール、メーター、フロントドアトリムの意匠刷新。
インパネ中段部には、運転時、目の邪魔にならないよう配慮しながら水平基調のラインイルミネーションを配し、そこから漏れる間接光で室内空間を彩ってくれる。
照明色は美しい自然現象などから着想した計14色のテーマカラーに加え、好みに応じて選べる50色のカスタムカラーにも対応している。

・オーディオは、全機種レクサスプレミアムサウンド10スピーカーシステムを標準化。
マークレビンソン17スピーカーシステムもメーカーオプションで用意されている。
包み込まれるような心地よさと深い表現力をめざし、スピーカーの最適配置と音質のチューニングが吟味されている。
・ほかに日常的な利便性向上策として、高出力化したUSB端子(Type-C)をセンターコンソール前方に2か所、コンソール後端にも充電用のUSB端子(Type-C)を2か所設置している。
さらにはセンターコンソール前方のワイヤレス充電スペースは、乗員の使いやすい位置にレイアウト。
多種多様の大きさのスマートホンに対応できるサイズとしたGen5(充電規格 Qi)を採用した。

4.より安全で快適な運転をサポートする装備の拡充
1.先進予防安全技術 Lexus Safety System + の機能拡充。
<主な性能向上機能>
プロアクティブドライビングアシスト(PDA)採用
「歩行者の横断」「飛び出してくるかもしれない」など、運転状況に応じたリスクの予測を行なうことで、危険に近づきすぎないよう運転操作をサポート、ドライバーの安心につなげる。
さらには、先行車や前方のカーブに対して減速操作をサポートし、ペダルの頻繁な踏みかえ操作を軽減することにより、一般道などのシーンでドライバーの運転操作をやさしくアシストしてくれる。
機能としては以下5つの支援機能がある。
・歩行者/自転車運転者/駐車車両に対する操舵・減速支援
・先行車に対する減速支援
・カーブに対する減速支援
・信号交差点に対する右左折時減速支援
・車線内走行時常時操舵支援



他に下記機能の支援機能の対応範囲が拡大されている。
・プリクラッシュセーフティ(PCS)の対応範囲・支援機能拡大(対自転車運転者(夜)、自動二輪車(昼)、交差点衝突回避支援(出合頭車両))
・レーダークルーズコントロール(ACC)の支援機能拡大
・ロードサインアシスト(RSA)の支援機能拡大
・発進遅れ告知機能(TMN)の支援機能拡大
・レーンチェンジアシスト(LCA)支援機能拡大
2.高度運転支援技術 アドバンスト ドライブ(Lexus Teammate Advanced Drive(渋滞時支援))
一部の高速道路や自動車専用道の本線上の走行を支援するシステムが「Advanced Drive(渋滞時支援)」で、他のトヨタ車などで展開済みの機能だ。
新型ISの場合、何がどのように進化して実際にどのような働きを示すのかは未公表だが、自動車専用道での運転時に於いて、渋滞時(0km/h~約40km/h)でのレーダークルーズコントロールおよびレーントレーシングアシストの作動中、ドライバーが前を向いているなど、一定の条件を満たすとシステムが作動。
認知、判断、操作を支援することで、ドライバーは渋滞時の疲労軽減が可能となり、より周囲に注意を払った安全運転ができるようになる。


この新型ISは、前述のとおり、発売は来年2026年初頭からで、私たちが目にするのは早くてもまだ数か月先のことだ。
いま、クルマの標準形態だったセダン市場は世界的に見ても縮小しているが、そのセダンのうち、高級セダンか走りのよさを標榜するプレミアムセダンはまだ存在価値が揺らいでいない。
新型ISもこの時期になって、特に内装を一新したことから、現行モデルのまままだまだ走り続けることになりそうだ。
