意外なことに、値下げされた機種もあり

昨日9月18日に、新型デリカミニ&eKスペースの正式発表と価格公開を報じたばかりだが、夜が明けた本日9月19日、続けて新型ルークスも正式発表の至りとなり、併せて機種体系と価格が公開された。

ただし、新型デリカミニ&eKスペースの場合と違い、ルークスの場合は現時点、装備類や諸元などがわかる資料は手元になく、本当に価格の情報しか与えられていないので、昨日ほどの情報量ではないことをご了承いただきたい。

新型デリカミニ、最上級「T Premium DELIMARU Package」が300万円に迫る秘密? ~新型デリカミニ/eKスペース正式発表!発売は10月29日に決定~

8月22日に事前公開されていた新型デリカミニとeKスペースが、本日9月18日に正式発表された。 価格や機種体系が明らかになったので、その内容をお伝えする。 TEXT:山口尚志(YAMAGUCHI Hisashi) PHOTO:三菱自動車

こちらも機種体系は踏襲、標準型とハイウェイスターシリーズの2本立て

新型デリカミニ&eKスペースは、両車キャラクターのコントラストをより推し進めた感があるが、新型ルークスは歴代同様、標準シリーズとハイウェイスターシリーズ、安定の2本立てとしている。
モデルチェンジならルークスに日産版デリカミニを、eKスペースに三菱版ハイウェイスターを相互乗り入れさせそうなものだが、どちらかをどちらかに安易にコピー&ペーストしたかのようなラインアップにしなかったのは賢明だ。
両社それぞれ明快に役割分担し、標準シリーズを共通に、三菱側はアウトドアテイスト路線を、日産サイドはエアロテイスト路線を受け持つ作戦だ。

さて、新型ルークスは、現行型をほぼ踏襲した機種構成になっている。

新型ルークス。
新型ルークス ハイウェイスター。

「ほぼ」と書いたのは、新型の標準シリーズから、従来の「Xターボ」が廃されているからだ。
したがって新型は、標準シリーズが安いほうから「S」「X」の2種。
ハイウェイスターシリーズは従来同様、「ハイウェイスター X」「ハイウェイスター X プロパイロットエディション」「ハイウェイスター G ターボ」「ハイウェイスター G ターボプロパイロットエディション」の4つで、ルークス全体で基本6バリエーション。
それぞれにもれなく2WDと4WDがあるから、価格で分類すると12種となる。

これを表にすると次のようになる。

新型ルークス車両価格表。

昨日の新型デリカミニ&eKスペースの記事で、昨今の軽自動車の価格高騰を嘆いたばかりだ。
ましてやデリカミニの4WD「T Premium DELIMARU Package」が300万円に迫る額だったし、eKスペースは、価格そのものは抑えられているとはいえ、現行からの価格上昇幅は大きかった。
全機種、現行からマイルドハイブリッドが取っ払われたにもかかわらずだ。

新型ルークスも同じようなものだろうと思って表を作ったら、意外なことに、全体で値上げ幅は抑え気味、標準の「S」や「X」が、eKスペースの「M」「G」より7万円ほど安くなっていることがわかった。
こと「X」や「ハイウェイスター X」に至っては、現行ルークス同機種との比較で約2万円~6万円弱値下げされているのだ。

新型eKスペース、最廉価モデルのM。
新型eKスペースの上級G。

装備表や諸元表がないから明確なことはいえないのだが、装備レベルは維持されようし、安全デバイスもアップデートが図られているだろう。
ただ、デリカミニ&eKスペースの例からして、パワートレーンは新型ルークスもマイルドハイブリッドからただのエンジン車オンリーになる可能性が高い。
これが価格抑制の主因だと考えれば合点がいく。

新型ルークスの計器盤。安全デバイスや・・・
前席まわりの使用性、
後席シートのアレンジメントなどは現行並みだろうし、新型eKスペースと変わらないはずだ。

ガソリン車1本化は、凶か? 吉か?

もし新型ルークスがマイルドハイブリッド廃止なら、これは現在の新型車として「凶」と受け止められかねないが、これも考え方次第だ。

環境保護やCO2低減を掲げるひとなら話は別。
マイルドハイブリッドのクルマは、そのシステム代が上乗せされているから価格が高い。
低燃費による給油の頻度が下がることだけを切り取ればガソリン代が浮くことになるからうれしくなる気がするのだが、ハイブリッド車とガソリン車との価格差を仮に20万円だとすれば、ガソリン車ならハイブリッド車より早期に20万円に達するであろうガソリン代が、ハイブリッド車の場合は購入時にシステム代にまわるだけの話だ。
早い話、同じ20万円を、ガソリン車のガソリン代に分割払いするか、一括先払いでハイブリッド車のシステム代に充てるか、だ。

車両価格差と燃費差(=ガソリン代)と年間走行距離を天秤にかけて、モトを取るのに何年かかるか・・・
通勤・送迎・お買いもの・・・せいぜい半径20km圏内の走行が主体となる軽自動車の使われ方に照らして、その年数が普通車の比ではないことを思うと、少なくとも軽自動車のハイブリッド廃止が必ずしも凶とはいえなくなってくる。

車両価格が抑えられるなら、新型ルークスのガソリン車への1本化は、軽自動車だもの、「吉」と認識してもいいのではないだろうか。
となると、デリカミニはともかく、eKスペースがルークス(のSとX)に対して安くないのはどして? となるのだが。

何度もで述べるように、本記事作成時点、装備表や諸元表が公開されておらず、小出しの情報による推測でしかないのだが、これらが明らかになるのは発売日が決定した時点かも知れない。

ガソリンエンジンに徹することが必ずしも凶になるとはいえない。

その発売日は?

デリカミニ&eKスペースは発売が10月29日(水)とアナウンスされたが、実はルークスのほうは正式発表&価格公開されても発売日は明示されておらず、8月22日プレビュー時に伝えられた「秋頃」から「今秋」に変わったにとどまる。

12月はないにしても、デリカミニ&eKスペースの10月を過ぎた11月だって秋真っただ中。
山々の葉が真っ赤に染まりきった頃には発売されることだろう。