Zenos E10 RZ

8年の時を経てゼノスが復活

2017年に経営破綻を喫したゼノス・カーズは、ACカーズの傘下に入った後、8年の時を経て「E10 RZ」で復活を果たした。
「E10 RZ」のコクピット。2017年に経営破綻を喫したゼノス・カーズは、ACカーズの傘下に入った後、8年の時を経て「E10 RZ」で復活を果たした。

2014年、英国ノーフォークを拠点に軽量スポーツメーカーとして誕生した「ゼノス・カーズ(Zenos Cars)」は、2017年に経営不振から倒産。その後、ACカーズの傘下に入り、さらに約8年の時を経て「E10 RZ」と共にに復活を果たすことになった。

今回、ゼノス・カーズは、復活を象徴する「E10 RZ」を発表。E10 RZは、初代E10の先進的な設計を磨き上げ、ロードカー兼トラックカーとしての性格を残しつつ、新型パワートレインと最新の生産技術が導入されている。公開されたE10 RZ エンジニアリングプロトタイプは、公道走行が可能でありながらサーキットでも高いパフォーマンスを発揮する。

生産仕様のE10 RZは2026年初頭に発表され、その直後から生産とデリバリーが開始される。さらに、その約3ヵ月後には2.3リッター直列4気筒エンジンを搭載する廉価版の「E10 R2」のデビューも予定。2026年の販売枠は50台未満が見込まれており、価格はE10 RZが約14万ポンド(約2800万円)、E10 R2が約12万ポンド(約2400万円)となる。

各コンポーネントを大幅アップデート

E10をベースにパワーユニットやシャシーを強化。サーキットだけでなく、市街地でも楽しめるドライブフィールを実現しているという。
E10をベースにパワーユニットやシャシーを強化。サーキットだけでなく、市街地でも楽しめるドライブフィールを実現しているという。

E10 RZは、完全に刷新された2.0リッター直列4気筒ターボをリヤミッドに搭載。エンジンは制御系や吸気系をアップデートし、インタークーラーを新設し、最高出力385PS、最大トルク510Nmを発揮。6速MTギヤボックスを介して、リヤを駆動する。

アルミニウム一体押し出し材を用いたスパイン(骨格)にフルカーボンファイバー製タブを組み合わせたシャシーは、優れたねじり剛性を実現。E10よりも前後トレッドを拡大し、安定性とハンドリングを向上させた。エンジンやギヤボックスを含めた主要重量物はすべて前後アクスル内側に配置し、重心を低下させている。

E10 RZにはLSDを標準装備。フロントはプッシュロッド式サスペンションとインボードダンパーを採用。空気抵抗を減らしつつバネ下重量を軽減、乗り心地とステアリング応答を向上さた。リヤの足まわりは従来型のコイルオーバーダンパーをチューブラースチール製サブフレームに直接マウントし、エンジンとギアボックスを支える。

カーボンファイバー製フルボディを採用することで車両重量を抑え、視覚的なインパクトも強化。英国の専門企業によって成形されたボディパネルは、通常のペイント仕上げやグロスカーボンファイバーに加えて、カスタマーの好みに合わせた専用リバリーを施すことも可能だ。

ACカーズとトレメック・エレクトリックGT社と共同開発した「AC エース クラシック エレクトリック」が、SEMAショーにおいて初公開された。

「AC エース クラシック エレクトリック」のフル電動バージョンがSEMAでデビュー「最大航続距離320km」【動画】

英国を拠点に「AC コブラ」のリバースプロジェクトを手がけるACカーズ(AC Cars)は、2024年11月5〜8日にアメリカ・ラスベガスで開催中の「SEMAショー」において、フル電動パワートレインを搭載した「AC エース クラシック エレクトリック」を初公開した。初期生産枠は49台で、SEMAショーの会場において予約が開始されている。