極小グリルを2027年までに登場する約40台に採用
BMWは現在、特大グリルから転換を進めているようだが、ブランドのデザイン責任者は依然としてその需要があると述べていることがわかった。
同社は、ドイツ・ミュンヘンで開催された「IAAモビリティ2025」にて、新世代デザイン「ノイエクラッセ」を採用した初の量産モデル「iX3」を発表、これまでのキドニーグリル拡大路線から一転、コンパクトグリルを装備し、大きく大胆なグリルから脱却しつつある様子が伺える。

しかし、デザイン責任者であるエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏は、特大グリルは中国で人気があると述べているほか、同社は、大型グリルはデメリットよりもメリットの方が大きいと考えているようなのだ。
iX3で始まったノイエクラッセのコンパクトグリルは、最終的に他のモデルにも展開される予定だ。同社は、このデザイン要素が「現在から2027年までの間に」約40台の新型車とフェイスリフトモデルに採用される予定であると発表しており、この展開は急速に進むと見られる。
ノイエ・クラッセ・デザインは概ね好評を博しており、細身のツインキドニーグリルと「水平方向のライトシグネチャー」を備えた全く新しいフロントエンドが特徴となっている。これは大きな変更であり、BMWは以前、これらの要素は60年代と70年代の1600と2002を想起させるように設計されていると述べていた。

一方、X7やiXなどに見られる特大グリルとは正反対だ。こうした巨大グリルはしばしば賛否両論を起こしているが、実はBMWグループデザイン責任者のエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏を始め、BMW内では、路線に迷いが残っているというのだ。
海外カーメディアの取材に対し、スタイリングの第一人者であるファン・ホーイドンク氏は、大型グリルは「中国など、世界の特定の地域で人気がある」と述べており、「一部の市場の人々は依然として大型グリルを求めている」ため、BMWのようなグローバルブランドにとって「難しい状況」になっていると付け加えてる。
また、同氏は、特大グリルは顧客からの反発を実際には受けていないと述べているようだ。「否定的な意見」もあったことは認めつつも、「販売数には影響が見られない」と述べ、実際、デザイナーは大型グリルが販売に貢献した可能性さえ示唆している。
論争を巻き起こした巨大グリルだが、同氏は、多数のセンサーを搭載できるため、グリルには一定の用途があると指摘している。また、今後は、様々な形状とサイズのグリルを用意していくと述べ、超大型グリルの時代はまだ終わっていない可能性を示唆している。
ただし、「iX3のような車には、このサイズのグリルが実によく合っていると感じました」と、同氏はオーストラリアのメディアに語ったようで、「このフロントエンドには、これまで以上に多くのセンサーが組み込まれています。もちろん、私たちの車はますますインテリジェント化しています。自動運転もさらに進化しています。ですから、デザインにおいて解決しなければならなかった課題の一つは、これらのセンサーをどのように組み込むかでした」とホーイドンク氏は付け加えている。
そして、「これらのセンサーはすべてフロントエンドに搭載されていますが、目には見えません。それがグリルを非常に機能的にする必要があった理由の一つでもありました。」と締めくくっている。
BMWグリルサイズ、形状は、今後市場の動向により変化していくと見られる。フェイスリフトされた7シリーズは引き続き大型グリルを採用するが、そのデザインは少し控えめになっているようにも見える。
果たして、生き残るのは巨大グリルか、コンパクトグリルか、今後も同ブランドの試行錯誤が続きそうだ。








