純ガソリン車からハイブリッドになり価格もアップ

「ルノー キャプチャー エスプリ アルピーヌ マイルドハイブリッド」のエクステリア

今夏のビッグマイナーチェンジ前、ルノー「キャプチャー」のエントリーグレードである「インテンス」は337万円だった。2代目発売時点の2021年2月まで遡ると、300万を切る299万円。キャプチャーに限らずだが、原材料費や輸送費、物価などの高騰の影響を感じさせる。

マイナーチェンジ後のマイルドハイブリッドは、409万円の「ルノー キャプチャー エスプリ アルピーヌ マイルドハイブリッド」、389万円の「ルノー キャプチャー テクノ マイルドハイブリッド」の2グレードを設定する。

「ルノー キャプチャー エスプリ アルピーヌ マイルドハイブリッド」のリヤビュー

純ガソリン車と入れ替わる形で導入されたマイルドハイブリッドは、「アルカナ」のマイルドハイブリッドとスペックは同値。116kW(158PS)/270Nmを発揮する1.3L直列4気筒ガソリンターボに、補助モーターのBSG(ベルトドリブンスタータージェネレーター)、12Vリチウムイオンバッテリーを組み合わせている。モーター出力/トルクは、3.6kW(5PS)/19.2Nmと控えめながら、モーターで発進し、加速時もその効果を感じられる。減速時には回生ブレーキが作動し、エンジンを停止させるコースティング(クルージング)機能も付く。

マイルドハイブリッドは純ガソリン車に近いフィーリング

一方で、コースティングに入る際や低速域を中心とした7速デュアルクラッチトランスミッションの変速マナー、モーターアシストや回生ブレーキの作動時などハイブリッドシステムの制御などは、フルハイブリッドのスムーズさと比べると、少しぎこちないシーンも散見された。

「ルノー キャプチャー エスプリ アルピーヌ マイルドハイブリッド」のインパネ

対するフルハイブリッドの「E-TECH」は、1.6L直列4気筒NAエンジンに、メインモーターの「E-モーター」と「HSG(ハイボルテージスターター&ジェネレーター)」、それらをつなぐドッグクラッチトランスミッションというシステム。エンジンスペックは、最高出力69kW(94PS)、最大トルク148Nmとそれなりだが、メインモーターは36kW(49PS)/205Nmと分厚いトルクを発揮する。

「ルノー キャプチャー エスプリ アルピーヌ フルハイブリッド E-TECH」のエクステリア

街中から高速道路までEV度合いが濃いのは、当然ながらフルハイブリッドの方。マイルドハイブリッドは、純ガソリン車に近いフィーリングだ。フルハイブリッドよりも90kg軽い分、軽快感は明らかにマイルドハイブリッドが上回る。

「ルノー キャプチャー エスプリ アルピーヌ マイルドハイブリッド」のフロントシート

試乗車はともに19インチタイヤを履いていて、重い分、フルハイブリッドの方がどっしりとした乗り味であり、エンジンの作動頻度やエンジン回転数を抑えられるフルハイブリッドの方が静粛性にも優れていたため、乗り心地などの動的な快適性でもフルハイブリッドの方が上に感じられた。

フルハイブリッドとマイルドハイブリッドの価格差は?

「エスプリ アルピーヌ」同士の比較だと45万9000円という価格差で、BセグメントSUVでは決して小さくはないものの、走りのスムーズさと快適性を重視するのならフルハイブリッドの方がおすすめだ。なお、WLTCモード燃費は、フルハイブリッドが23.3km/L、マイルドハイブリッドが17.4km/L。

「ルノー キャプチャー エスプリ アルピーヌ マイルドハイブリッド」のリヤシート

冒頭で紹介したように、2代目登場時のキャプチャーは、300万円切りのエントリーグレードだったが、今回のマイナーチェンジ後モデルは、389万円の「ルノー キャプチャー テクノ マイルドハイブリッド」になる。

マイルドハイブリッドの「エスプリ アルピーヌ」と「テクノ」は、マイナーチェンジでアップデートされた先進安全装備は同一で、「エスプリ アルピーヌ」専用の内外装デザインの有無が異なるほか、タイヤは18インチになる。ステアリングヒーター、前席シートヒーターが省かれ、シートはファブリック。

しかし、そのほかの主要装備はほぼ同等で、フルオートエアコンや電動パーキングブレーキ(オートホールド機能付)、ルーフレールなどを標準装備している。個人的にはシートヒーターが欲しいところだが、必要十分といえる内容で、「テクノ」を指名する手もありだろう。

「ルノー キャプチャー エスプリ アルピーヌ フルハイブリッド E-TECH」のリヤまわり

フルハイブリッドの「エスプリ アルピーヌ」と比べると65万9000円も安い。ただし、マイルドハイブリッド同士の比較では、20万円安くなるだけなので悩ましいのだが……。ローンやリースプランなどであれば月あたりの差は少額になるはずだ。 それでも今回のマイナーチェンジの目玉であるフェイスリフトと10.4 インチの縦型タッチスクリーンの最新インフォテインメントを備えるキャプチャーを少しでもリーズナブルに手に入れたいのなら、先述したように検討する手は十分にある。

なお、別の記事でも紹介したが、フルハイブリッドとマイルドハイブリッドでは荷室容量に大きな差があり、前者は440L、後者は536Lを誇る。フルハイブリッドでもBセグSUVトップクラスを誇るが、積載性も重視するのならマイルドハイブリッドを検討する手もありだろう。

マイナーチェンジで進化した「ルノー キャプチャー」をライバルと比較! ヤリスクロス、プジョー2008と比べると…

BセグメントSUVのルノー「キャプチャー」が2025年6月にマイナーチェンジを受けた。独自のフルハイブリッド「E-TECH」、マイルドハイブリッドを設定している。ここでは、マイナーチェンジのポイントをはじめ、取り回しのしやすさ、居住性や積載性などをライバル車と比べてキャプチャーの特徴をあぶり出したい。