2025年9月軽自動車販売台数トップ10
2025年9月の軽自動車販売台数のトップ10は以下のとおりだ。
| 順位 | メーカー・モデル | 販売台数 | 前年同月比 |
|---|---|---|---|
| 1位 | ホンダ・N-BOX | 21,717台 | 87% |
| 2位 | スズキ・スペーシア | 16,407台 | 103.7% |
| 3位 | ダイハツ・ムーヴ | 13,506台 | 351.3% |
| 4位 | ダイハツ・タント | 11,457台 | 97.9% |
| 5位 | スズキ・ハスラー | 7,993台 | 99.5% |
| 6位 | スズキ・ワゴンR | 6,742台 | 93.7% |
| 7位 | スズキ・アルト | 5,394台 | 90.1% |
| 8位 | 日産・デイズ | 5,257台 | 101.6% |
| 9位 | 三菱・デリカミニ/eKシリーズ | 5,020台 | 83.8% |
| 10位 | 日産・ルークス | 4,824台 | 64.8% |
8月の販売台数順位と変動はなく、上位3車種が牽引する格好だ。4位以降の顔ぶれも大きな変わりはないが、日産「デイズ」が8位に食い込んだ。
日産「デイズ」派手さよりも上質さで勝負

ランキング8位ながら堅調な伸びを見せたのが日産「デイズ」だ。軽自動車市場全体が前年割れする中、前年同月比101.6%とプラス成長した。
スーパーハイト系が主役の軽自動車市場で、デイズは取り回しのよいサイズ感と上質な内外装で選ばれるスマートなハイトワゴン。見切りの良さ・軽快感・燃費のバランスが評価され、運転支援「プロパイロット」設定など安心装備も支持を後押しする。
手頃な価格で安心感のある軽として、通勤層・高齢ドライバー・都市部ユーザーの心を掴んだ。
さらに、軽EV「日産サクラ」との来店相乗効果で関心が波及。結果として9月は前年同月比101.6%とプラス成長を維持した。
ホンダ「N-ONE e:」が市場に新風

9月にはホンダが新たな軽EV「N-ONE e:」を軽市場に投入。販売台数は4,344台(前年同月比262.6%)と健闘したが、トップ10入りには届かなかった。
とはいえ、「走行距離の長さ」「補助金活用での実質価格の手ごろさ」など、ガソリン車ユーザーにもアプローチできる条件が整いつつあり、今後の軽EV市場拡大の起点になる可能性が高い。
N-ONE e:の登場によって、「実用性・コストで選ぶガソリン車」vs「環境性能と静粛性で選ぶ電動車」という新たな価値軸が生まれたことは間違いない。
白熱していく覇権争い、軽自動車市場は日常と個性の二極化へ
2025年の軽自動車市場は、「日常の使い勝手を極めた実用ワゴン」と、「ライフスタイルを反映する個性派モデル」が共存している。
「N-BOX」「スペーシア」「ムーヴ」が象徴するのは、ファミリーの日常の足。一方で、「デイズ」のように上質さと扱いやすさで選ばれるモデル、「ジムニー」のように趣味性で選ばれるモデル、そして軽EVといった価値の多様化が進む。
EV化・安全装備・デザイン志向の三方向から進化が進むなか、軽自動車はもはや安くて小さい車ではなく、暮らしの中でどんな価値を提供できるかを競うステージに入っている。
2025年後半も、軽自動車市場の主役争いはますます白熱していくはずだ。