ポルシェが、カイエン・クーペがEV化することは、以前から予想されていたが、カモフラージュの下にあるその姿は、これまでほとんど分かっていなかった。しかし、スクープ班が提携するNikita Chuicko氏が、最新内部情報をもとに完全デジタルプレビューしてくれた。

初代ポルシェ・カイエンが2003年モデルとしてデビューした際、ブランドの純粋主義者からは不満の声が上がった。しかし、カイエンは瞬く間にポルシェのスポーツカーラインナップに溶け込み、同ブランドのベストセラーモデルの一つとなった。

ポルシェ初のSUVとなった初代カイエンは2002年デビュー。

そして今、このミッドサイズSUVは新たな岐路に立たされている。ポルシェはまもなく初代カイエンEVを発表し、その直後にクーペも発表される予定だ。まだ不明な点が多いものの、カイエンEVは、ポルシェ初代SUVを一躍有名にしたあのドライビングのスリルとファミリー向けユーティリティを、惜しげもなく融合させてくれると期待されている。

2019年に3代目カイエンに追加されたカイエンクーペ。

オクタン価とエンジン音はそのままに、高出力と排出ガスゼロの走りを実現したこのバッテリー駆動のカイエンEVは、ガソリン車と同等以上の性能を持つと予想されている。カイエンEVも新型マカンEVと同じプラットフォームを採用すると予想されており、ポルシェが2028年または2029年に発売を予定している、まだ見ぬフ噂のラッグシップSUV「K1」の下位モデルとなる。

ポルシェ・カイエンクーペEVのスパイショット。

プレビューされたCGは、よりコンパクトになったように見える。もちろん、セグメント全体から見ればコンパクトというわけではなく、傾斜したルーフラインを持つクロスオーバーであることは変わりない。

後者の点は、より伝統的な外観を持つ兄弟車、近々登場する新型ポルシェ・カイエンとの違いであり、カイエンは比較的フラットなノーズを特徴としている。ポルシェ特有のヘッドライトシグネチャーはそのままに、フロントバンパー下部にはエアインテーク、メインクラスターの真下には2つの垂直なベントが見える。

ポルシェ・カイエンクーペEV 予想CG

側面では、ここ数年でやや人気が高まりすぎているフラッシュマウント式のドアハンドルではなく、従来のドアハンドルを装備。ホイールアーチ、通常のドアミラー、おそらく後部座席のヘッドルームにも影響するアーチ型のルーフラインなどが見てとれるほか、ボディ下部にプラスチッククラッディングが施されている。

ポルシェ・カイエンクーペEV 予想CG

リヤセクションでは、中央にライトバー、そのすぐ下にPORSHCEのロゴが入ったスリムなLEDテールランプを特徴としている。さらに下には、カイエンのロゴと、スポーティなバンパー、そしてディフューザーの組み合わせが見える。また、クロスオーバーとしては最低地上高がそれほど高くないことにも注目すべきだろう。実際、ボディと路面から数インチ削ることで、高価な大型ハッチバックのように見せるかもしれない。

ポルシェ・カイエンクーペEV 予想CG

ポルシェのバッテリー電気自動車カイエンファミリーは、非接触充電機能を搭載して発売される見込みで、おそらくフロアプレートがオプションで用意されるだろう。これにより、公共の充電ステーションを利用するまではケーブルが不要になる。レシーバーユニットは前輪の間に設置され、最大11kWの充電速度に対応すると言われている。そして、スマートフォンのワイヤレス充電パッドと同様に、コンセントに差し込む必要があり、充電状況の追跡は専用のモバイルアプリで行なう。

ポルシェ・カイエンクーペEVのスパイショット。

電気自動車カイエンは、ポルシェブランドにとって全く新しいモデルとなり、2026年モデルとして2025年後半にデビューすると予想されており、クーペは約6~12か月後に登場する予定だ。

ポルシェ・カイエンクーペEVのスパイショット。

カイエンEVは、最終的に現行のガソリンエンジン搭載カイエンの全ラインナップを置き換えることは分かっているが、同じトリムレベル構成を維持するかどうかは不明で、マカンと同様に、ベースモデルとターボモデルの2モデルが登場する可能性が高いと思われる。