心臓部は最強のRB30改T88-38GKタービン仕様!

フェニックスパワーが手がけた快速檀家まわりスペック

和風なシチュエーションも似合ってしまうこのBNR34、オーナーはなんと現役の住職さんだ。「見た目や内装はノーマルっぽく、だけど中身は凄く、なおかつ壊れない」というコンセプトで徹底チューンが敢行されている。

パワースペックは究極系だ。RB26ベースとして最大排気量であるOS技研のRB30キットに、国内最大級の風量を持つトラストT88H-38GKタービンをセット。

もちろんヘッドもHKSカム (IN280度10.8mmリフト EX290度10.8mmリフト)を軸にフルで手が入れられており、最大ブースト2.0キロ時に862.8ps/8000rpm、87.5kgm/6500rpmを発揮。その実測データからも、このBNR34の性格は想像にたやすいだろう。

毎朝境内を掃除してから愛車も洗車するのが日課で、驚くべきはこのBNR34は檀家まわりはもちろん、お葬式にも乗っていく。「そりゃ速く行かなきゃいけないんで…。どんな坊主やちゅうねん」と笑いながら話す洒落っ気たっぷりな住職さんは、檀家さんにも「音で来たのが分かる」と、玄関の呼び鈴いらずで通っている。まさに“最速の檀家まわり仕様”である。

ミッションはホリンジャーの6速シーケンシャルドグを搭載。信号待ちでニュートラルから1速に入れた時、ガチャコンとボディが震えるのがまた快感で、「たまにすんなり入ると面白くないんで、もういっぺん入れ直そうと思うくらい」だそうだ。

足回りはマインズのダイナミック車高調を軸に構築し、ブレーキは前後ともにアルコンのキャリパーシステムで武装するなど、パーツチョイスには一切の妥協がない。

室内はホリンジャー6速が組まれているとは思えないほどシンプルメイクだ。普段見る必要がない油圧計や排気温度計はグローブボックス内にセットし、ブースト計とデュアルSBCのみをステアリング周辺に装着。シートは左右ともにレカロのSP-JJに交換されている。

「内装を撤去したり軽量化すればもっと速くなるかもしれんけど、それでは面白くない。ノーマルっぽいけど直線は番長だぞ、なんですわ。高速道路で欧州車が並んでも涼しい顔をして勝負する。それが楽しいんです。すこぶる気に入ってます。あ、修行も積んで立派な坊主のつもりですよ(笑)」と、僧侶の格好でBNR34を駆る姿は、近所でもすっかりお馴染みなのだとか。

なお、このマシンは究極的チューンドでありながら、排気量アップやホリンジャー6速、GTウイング等まで含めてフル公認を取得している。まさに大人の改造車だ。

「NISMOも真っ青の超完成度!」これが令和のBNR34ハイバランスチューンドだ!!

扱いやすさと速さを両立させた、オートギャラリー横浜渾身のR34型スカイラインGT-R。ゲトラグ6速をクロス化し、Vカム+GT2530ツインで狙うは“軽やかに速い”2.7Lストリート仕様。第二世代GT-Rを知り尽くした職人たちが導き出した、現代版・究極のバランスチューンだ。