エンジンに関する発表はまったくなし

開催中のジャパンモビリティショー(JMS)2025でアジアプレミアとなったレクサス・スポーツコンセプト。かつてのLFAの雰囲気も感じさせるスーパースポーツカーは、会場で来場者から熱い視線を浴びている。

ところでこのクルマ、パワートレインについての情報がまったくないのだ。デザインを見るとロングノーズ&ショートデッキの完全FRスタイルなので、フロントにエンジンが縦置きされるのだろうと考えるのが自然だ。しかし、BEV(バッテリーEV)ではないか、という予測も多いよう。確かに、これからデビューするスーパースポーツカーとしてはBEVを採用する可能性も高そうなのだが…。
フロントに大きなエアインテーク

が、実際にJMS2025のレクサスブースでスポーツコンセプトを見てみると、やはりエンジンを搭載するのではないか、という思いが強まった。まずフロントに大きなグリルが開いていること。BEVであればここまで大きなグリルは必要なく、むしろグリルの類は極力無くしてボディ表面は出来るだけスムーズにした方が空気抵抗は減らせる。
もうひとつは、先にも書いたFR的プロポーション。さすがにBEVでここまでロングノーズにするとボンネット内はスペースがかなり余ってしまうことになり、相当に無駄パッケージングだし、重量配分的にもデメリットが多いだろう。後ろを見ると、左右に熱抜きのダクトが開けられているのも、エンジン搭載車っぽい。もっとも、これは単なるLFAのオマージュなのかもしれないが。
ただ、ディフューザー周辺を見てもマフラーがどこにも見当たらない。ショーモデルだからあえて省いている、という可能性もあるが、エンジンを搭載したスーパースポーツなら力強さの象徴であるマフラーはデザイン上の大事な要素でもあるので、それを省く理由は考えられない。「やはりBEVなのか?」と思ったとき、デモンストレーションで可動式リヤスポイラーが上昇したのだ!
スポイラーの下からマフラー!?が出現!

すると! その下に丸いふたつの穴があるのを発見!! これはどう見てもマフラーだ!!! マフラー以外に考えられない。ただ、このような上方排気を採用するのはいわゆるホットV方式のミッドシップ車がほとんど。Vバンクの外側から吸気をして、Vバンクの間にターボチャージャーを配置するのがホットV方式だが、ミッドシップなら排気ガスをそのまま上から排出する方が効率がアップし、エキゾースト系の取り回しがシンプルになって軽量化にも繋がる。ただ、レクサス・スポーツコンセプトはおそらくフロントエンジン。マフラーはフロアを通ってくるので、上方排気のメリットはディフューザーの設計自由度が高まる、くらいしかなさそうなのだが。
さらに、これだとスポイラーが下がっている時はマフラーが塞がってしまう。あくまで想像だが、つまりこのクルマ、スポイラーが下がっている時は「モーター走行」をするのではないか。エンジンが始動すると同時にスポイラーが上昇してマフラーが出現する。これならば合点がいく。
以上から、私が勝手に想像したレクサススポーツ(LFR?)のパワートレインは、90度V8ツインターボのPHVだ。低負荷時はモーターのみで走行し、その時はリヤスポイラーは格納されている。パワーが必要となってエンジンが始動するとリヤスポイラーが上昇してマフラーが露出する…と思うのだが、いかがだろう。
コンセプトカーを眺めて、このようにあれこれと想像するのはモーターショーならではの楽しみ。皆さんもJMS2025の会場で、気になるコンセプトカーが市販時にはどのようなスタイル、メカニズムになるのか、いろいろと考えて楽しんで欲しい!

