ヤマハ・「YE-01」

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ヤマハが電動モトクロス「YE-01」でレース参戦を表明

ヤマハ発動機は、カーボンニュートラルの実現に向けた新たな挑戦として、電動モトクロスバイクのコンセプトモデル「YE-01」を開発中だ。同モデルは世界最大級のモーターサイクルショーEICMAへ出展。

「YE-01」は単なる電動バイクではない。フランスの電動二輪専門メーカーElectric Motion SAS(CEO:Philippe Aresten)との共同開発により、両社の技術を結集したモデルとなる。ヤマハは電動化技術に「FUN」という要素を加え、環境性能と走る楽しさの両立を目指している。

フォーミュラEの技術を投入! 過酷なレースで培った電動技術

ヤマハの電動技術は既に世界最高峰のレースで実証済みだ。電動トライアルバイク「TY-E」によるFIMトライアル世界選手権への参戦に加え、ABB FIAフォーミュラE世界選手権では「Lola Yamaha Abt Formula E TEAM」へパワートレインを供給している。

これらの過酷なレース環境で得た制御技術や熱エネルギーマネジメントの知見を「YE-01」に活用。特に電動車両の課題である発熱対策や効率的なエネルギー管理において、レースで培った技術が活かされる。

2026年「MXEP」参戦で電動モトクロスの新時代へ

「YE-01」の最大の目標は、電動モトクロスカテゴリー「MXEP」への2026年参戦だ。モトクロスという激しいライディングが求められる競技において、電動バイクがどこまで戦えるのか。この挑戦を通じて、ヤマハはさらなる電動技術の進化を狙う。

モトクロスは瞬発力と持久力の両方が求められる競技だ。電動モーターの瞬時トルクという特性を活かしつつ、バッテリーの持続性という課題をどう克服するか。レースという極限の環境でこそ、次世代の電動技術が生まれる。

2050年カーボンニュートラル実現への道筋

ヤマハは全社環境目標として、2050年までに事業活動を含む製品ライフサイクル全体でのカーボンニュートラル達成を掲げている。これは事業所や工場でのCO2排出(スコープ1・2)だけでなく、製品使用時や原材料調達を含むすべての排出(スコープ3)を対象とした野心的な目標だ。

「YE-01」はこの環境計画実現に向けた重要な一歩となる。電動化を含むさまざまな技術開発を推進し、マルチパスウェイでカーボンニュートラルの実現を目指すヤマハの姿勢を象徴するモデルだ。

電動ならではの新しいライディング体験を創造

感動創造企業を標榜するヤマハは、単に環境に優しいだけのバイクを作るつもりはない。電動ならではの魅力を最大限に活かし、これまでにないワクワクと楽しさを提供することが目標だ。

静粛性、瞬時トルク、メンテナンスフリーといった電動の特性は、新しいライディング体験を生み出す可能性を秘めている。「YE-01」は、環境性能と走る楽しさを高次元で両立させる、次世代モトクロスバイクの姿を提示することになるだろう。