タービン交換とフットワークの最適化を実施!
速さとユーザビリティの頂点へ!
シビックタイプRの可能性を追求する“ジェイズレーシング”。デモカーのFL5はブーストアップからタービン交換仕様へ進化。TCR参戦車両と同型の高性能タービンを採用し、最高出力は450psを突破。シビック史上最強クラスのパワーユニットに仕上げられている。



純正タービンは高回転域でパワーが頭打ちしやすい設計だったが、ジェイズの「HYPERタービンキット」で解消。専用ECUによる完全制御で、補機類の交換はインジェクターとフューエルラインのみ。効率的かつコストパフォーマンスに優れたチューニングだ。

吸気系は、イベンチュリ社とのコラボアイテムであるエアインテークシステムを採用。吸気効率を高めるとともに、エアフィルターを遮熱性に優れたカーボン製ボックス内に収め、吸気温度の上昇を効果的に抑制する。

開発中のFL5専用エキゾーストマフラーは304ステンレス製で、将来的にはフルチタン仕様もラインナップ予定だ。

インタークーラーは、DRLと共同開発した大容量タイプ。重要なコアはラジエーターへの導風を考慮したスポーツタイプを採用する。
パワーを活かすための足まわりは、開発を進めていた車高調仕様から純正ベースのチューニングへと方針転換。「サーキットでの速さを追求するなら車高調が必須では?」と思われるが、その真意をジェイズレーシングの梅原さんはこう話す。
「車高調の開発も引き続き行います。ただ、純正(電子制御式ショックアブソーバー)を活かしたチューニングのニーズが非常に多いので、一旦はそちらを先行させることにしました。純正の足まわりはプロの目から見ても優秀ですし、スイッチひとつで乗り味を切り替えられる機能を、ユーザーが手放したくない気持ちもよく分かります。それなら“純正ベースでどこまでできるか”に挑戦してみようと考えました。速さの追求と同じくらい、ユーザーの思いに応えることも、ジェイズのアイデンティティですから」。
スプリングレートはフロントが3.5〜5.0kg/mm(ノーマル4.8)、リヤが2.5〜4.5kg/mm(ノーマル4.4)の可変レート仕様。バンプラバーも専用に開発されており、乗り心地と走行性能を高次元で両立している。

ブレーキはフロントにエンドレス・レーシングMONO6+制動屋RM550、リヤに純正キャリパー+制動屋RM551プラスを組み合わせで強化。コースを問わず、450psのパワーを安心して楽しめる制動力を確保している。


ホイールはオリジナル鍛造「XR227」(18×9.5J inset45)を装着。軽量かつ剛性に優れ、サーキット走行での最適バランスを実現。タイヤはストリートラジアルからレーシングラジアルまで幅広くテストされ、RE-71RSとの組み合わせが高バランスと判断された。

ステアリングはatc社との共同開発「XRシリーズ JAPANリミテッド」325Φを採用。小径かつ太めのグリップで操作性を大幅向上。

エクステリアチューンも見逃せない。ボンネットは排熱性に優れたオリジナルのエアロボンネット(TYPE-S)に交換。吸気効率を高めるデザインで、カーボン仕様による軽量化効果も狙える高機能パーツだ。

オリジナルのファントムGTウイングは、純正ステーを活かして装着可能。より高いダウンフォースを生み出す、本格的なGTウイング(スワンネックタイプ)の開発も現在進行中だ。

テールランプはポジション、ブレーキ、ウインカー、バックランプをすべて高輝度LED化。視認性向上と高級感を兼ね備えている。

セントラルサーキットで行われたタイヤテストでは、RE-71RSとRE-12Dを比較。タイムはRE-12Dがわずかに優れたものの、ドライバー(井入選手)が選んだのはRE-71RS。日常使いとサーキット性能の両立を重視した結果だ。

ジェイズレーシングの梅原店長は「FL5は、ホンダが本気でレーシングスピリットを注入した1台。それは、専用のデータロガーアプリを標準搭載していることからもわかります。ジェイズのパーツは、そんなFL5の魅力を“速さ”だけでなく、“楽しみやすさ”という面まで含めて開発しています」と語ってくれた。

細かな部分までしっかりとテストを行っているジェイズレーシング。そんな中から生み出されるアイテムが多くのファンから高い支持を得ているのも納得だ。
●取材協力:ジェイズレーシング TEL:072-645-3500
【関連リンク】
ジェイズレーシング
https://www.jsracing.co.jp/



