GCGとタッグを組んで開発した逸品!

出力はもちろん扱いやすさも向上

排気系ノーマルでも490〜500ps、キャタライザーなどで最適化した排気系なら520〜530psに達するスカイライン400R。ECUチューンによるブーストアップだけで、これほどの出力向上が可能な一台だ。そしてVR30DDTTのチューニングに長く取り組んできたフェニックスパワーが、次のステップとして提案するのがGCG製ハイフロータービンを用いたアップデートである。

今回のタービンは530ps前後が限界となる純正タービンをベースに、GCGがコンプレッサー/エキゾーストの双方を適正サイズへ拡大加工した“ハイフロー仕様”。RV37用として正式ラインアップはないものの、両側を拡大したデータはすでに確立されており、投入すれば550〜570psが狙えるという。

「最初はコンプレッサー側だけを拡大加工したのですが、風量は増えても排気が抜けずエキゾースト側がボトルネックになってしまったんです。そこで両側を拡大したところ、高回転までスムーズに回り、VR30で要注意のタービン回転数も抑えられるようになりました。フルブーストの立ち上がりは2500→3000rpmに移行しますが、そのぶん扱いやすく、高回転域は頼もしいですよ」と横山さんは語る。

コンプレッサーホイール

右:純正/左:ハイフロー

純正(IN36.3φ/EX46.0φ)に対して、GCGハイフロー仕様はIN40.0φ/EX50.0φへとサイズアップ。ブレード枚数は8枚で純正同等、素材もアルミ削り出しだ。

タービンホイール

右:純正/左:ハイフロー

純正(IN38.8φ/EX35.5φ)に対し、ハイフロー仕様はIN41.5φ/EX38.0φへ拡大。ブレードは9枚と純正同様だが、排気のスムーズさに貢献する形状が与えられている。

VR30DDTTの純正タービンには電動アクチュエーターが備わり、ECUによりブースト圧を管理している。むやみに高回転まで回すとタービンブローに繋がるため、ブースト設定などの詳細は“門外不出”の領域。また、400R専用タービンにはタービン回転数センサーが搭載されており、設定値を超えると回転抑制が作動する仕組みだ。

ブーストアップ仕様でもハイフロー仕様でも、排気系ノーマルで仕上げることは可能だが、フェニックスパワーでは吸気効率向上のためにサクションパイプとブローオフバルブの導入を推奨している。

VR30DDTTが抱える吸気温度問題への対策

水冷インタークーラーを採用するVR30DDTTは、吸気温度上昇による出力低下が起こりやすい。その対策として、フェニックスパワーは純正15mm厚に対して35mm厚のコアを使用した大容量ヒートエクスチェンジャーを開発。容積比2.4倍という数字が、その効果を物語る。

シャシダイ比較データ

吸気系の最適化とマフラーのみを交換したブーストアップ仕様(494.5ps&71.9kgm)と、吸気系の最適化にメタルキャタライザーも投入したハイフローターボ仕様(554.3ps&79kgm)の比較。数値面の違いよりも、レスポンスが鋭すぎて扱いづらさに繋がっていた低回転域は少々マイルドになり、高回転まで頼もしくなっているラインに注目してほしい。

「タービン交換にはエンジン脱着が必要なので、同時にピストンやコンロッドの強化をおすすめします。すでにブーストアップ仕様に乗っている方が、オーバーホール時期に合わせてステップアップするにはベストなメニューですよ」と横山さん。

タービン価格は58万3000円。燃料系・駆動系の強化が不要なのも魅力で、ブーストアップからの次段階として非常に導入しやすいアップグレードだ。

●取材協力:フェニックスパワー 福井店:福井県坂井市丸岡町朝陽2-317 TEL:0776-67-2980/京都店:京都府久世郡久御山町佐古外屋敷37-2 TEL:0774-48-1157

「RV37型スカイラインって最強かも・・・」グレード問わず低予算で500馬力が狙えるんです!

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フェニックスパワー
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