BMWモトラッドは、スーパースポーツ「S1000RR」の新型を発表した。価格は税込268万8000円〜354万2000円。

サウンドまでもチューニング

今回の改良でBMWは、「S1000SS」を「技術革新と洗練されたデザイン、そして圧倒的な走行性能を融合させた究極のスーパーバイク」と位置付けた。

エンジン、シャーシ、電子制御システム、空力性能といったあらゆる領域で大幅な改良が施され、ライダーに対してこれまで以上のダイナミックな走りと安全性を提供することを目指している。

新型には、999cc直列4気筒エンジンが搭載され、出力とトルクの両面で最適化が図られている。最新のエンジン制御技術が採用され、低速域から高回転域にかけて一貫して力強い加速を実現。従来モデルよりも出力が向上しているだけでなく、エンジン内部の軽量化や燃焼効率の向上にも成功し、燃費性能と環境負荷の低減にも寄与する。

加えて、エモーショナルなサウンドがライダーに走行の爽快感を伝える重要な要素となっており、スポーツバイクとしての存在感を一層際立たせる。

シャーシは新たな設計コンセプトに基づいて再デザインされ、車体剛性の向上と軽量化を実現。急ブレーキや高速コーナリング時における安定性が飛躍的に向上し、ライダーの意図する繊細な操縦性がダイレクトに伝達される。

さらに、専用のエアロパーツが取り入れられ、直進走行時のダウンフォースが増加。これにより、安定した直進性と高速域でのグリップ力が強化され、従来を凌駕する走行性能が発揮される設計となっている。

電子制御で安心してサーキット走行を

電子制御システムにおいては、最新世代のライディングモードセレクターが中核をなす。各モードにおいてエンジンマネジメント、トラクションコントロール、ABS、ダイナミックブレーキコントロールなどが一体となり、走行環境やライダーの好みに応じた最適なバランスが自動的に実現される。

高度なセンサー技術とリアルタイム情報処理により、ライダーの操作に対して瞬時に反応するこのシステムは、走行中の安全性とパフォーマンスの両立に大きく寄与する。

デザイン面では、シャープでアグレッシブなラインが車体全体に躍動感を与え、フロントフェアリングは新設計により空力性能を一層高める。

LEDライト群の配置やデジタルメーター群の刷新も、視認性と操作性を向上させるために徹底的に見直され、ライダーに直感的な操作環境を提供する。

人間工学に基づいたシート設計とライディングポジションは、長時間のライディングでも疲労を感じにくく、日常の使用からサーキットでの激走まで幅広いシーンに対応可能だ。

新型「S1000RR」は、レーサーやスポーツライダーのみならず、日常の公道走行においても最高のパフォーマンスを発揮することを志向する。BMWが長年にわたり培ってきたモータースポーツの知見と技術革新が結実し、これまでにない走行体験を提供する一台として、スーパーバイク市場における新たなスタンダードを打ち立てる存在となるだろう。

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