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今日は何の日?■初代のコンセプトにさらに磨きをかけた2代目アルトラパン

2008年(平成20)年11月26日、スズキは「アルトラパン」の初めてのモデルチェンジを行ない2代目をリリースした。2002年に若い女性をターゲットにしたアルトの派生車として誕生したアルトラパン、2代目もキープコンセプトで女性目線に磨きをかけた。
女性専用車に割り切ったアルトラパン誕生
2000年以降の軽市場は、背の高いハイトワゴンが市場を席巻し、ファミリーカーとしての用途が主流となり、背の低いセダン系の軽は通勤や下駄代わりで使うような用途に限られていた。そのような中、スズキは2002年1月に明快に若い女性をターゲットにしたセダンの軽「アルトラパン」を市場に放った。

ベースはもちろん「アルト」だが、開発コンセプトは“雑貨感覚”や“カフェテリア”。可愛らしい丸目ヘッドライトを配置したシンプルなボクシーなスタイリングながら、角を丸めることで温もりを強調。インテリアは自然なウッド調のパネルやパステルカラーで統一されお洒落感満載。一方で、ラゲッジルームは意外と広く、後席を倒せば軽ハッチとしては十分なスペースがあり、買い物でもちょっとした旅行にも十分対応可能だ。

パワートレインは、最高出力54psを発揮する660cc 直3 DOHC VVTエンジンと5速MTおよび4速ATの組み合わせにより、スムーズな走りと19.0km/L(10-15モード)の低燃費を実現。遅れて、最高出力64psのインタークーラーターボエンジンが追加された。駆動方式は、FFと4WDが用意された。
居心地や使い勝手、燃費を進化させた2代目アルトラパン
2008年11月のこの日、アルトラパンは初めてのモデルチェンジで2代目に移行した。

初代と同様のボクシーで低いボディフォルムを継承しながらも、レトロ調だった初代に対してモダンなデザインへと進化した。フロントグリルは初代のメッキパーツをやめてボディと同色のメッシュとし、ボディカラーには初代同様ホワイトルーフの2トーンカラーが用意された。インテリアはホイールベースの拡大とスクエアなボディ形状により、開放感が高められたゆとりの室内空間が実現。またカラーはボディ色に合わせてブラック、ブラウン、アイボリーの3色から選択可能だった。

パワートレインは、初代から引き継いだ最高出力54psの660cc 直3 DOHC VVT、64psのインタークーラーターボの2種エンジンと、4速ATおよびCVTの組み合わせ。FF車の10-15モード燃費は、24.5km/L(NA車)、23.0km/L(ターボ車)と、先代に対して大きく向上した。
車両価格は、2WDのCVT仕様で110.565万円(標準グレード)/122.22万円(ハイグレード)/135.765万円(ターボグレード)である。

また、2013年には「アルトラパンショコラ」を発売。キュートな丸目ライトが特徴的なフロントマスクや、チョコレートなどスイーツを思わせるインテリアカラーとしたことで、若い女性を中心に人気となった。

他にもある若い女性をターゲットにした軽自動車
アルトラパンと同様に若い女性をターゲットにした、あるいは女性から人気がある最近の軽自動車を上げてみた。基本的には、可愛いデザインや扱いやすさなどを重視したクルマだが、アウトドア志向の軽も最近女性に人気が出てきた。
・ホンダ「N-ONE」(2012年~)
丸目ヘッドライトとちょっとクラシカルなデザインがファッショナブルな女性から支持されている。
・ダイハツ「ミラパルコ」(1991年~)
女性向けファッション系会社“パルコ”とダイハツがタイアップして開発した「ミラ」の派生車。
・ダイハツ「ミラココア」(2009年~)
丸みのある暖かいレトロ調デザインが特徴、カラーバリエーションが豊富で女性好みの収納が充実。
・ダイハツ「ムーヴキャンパス」(2016年~)
女性好みのデザインと機能性を両立させた女性をターゲットにしたハイトワゴン。
・ダイハツ「ミラトコット」(2018年~)
CMキャラクターにちびまる子ちゃんが22歳になったという設定の実車版で評判に。
・スズキ「ハスラー」(2014年~)
最近増えているアウトドア志向の女性に人気。SUV風だが、可愛いイメージとカラフルなカラーが人気を呼んでいる。
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ダイハツは、若い女性をターゲットにした軽自動車を積極的に展開して成功しているようだ。10代、20代の女性ドライバーの2/3は軽自動車に乗っていることもあり、また若い女性から人気を得られれば、結果的に子育て層やシニア層にも波及するという効果がある。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。







