「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げた大阪万博

大阪・夢洲を会場に開催された大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げ、国家パビリオンや企業パビリオンが未来の生活像を提案する場となった。
建築デザイン、次世代インフラ、サステナブル技術など、多様な取り組みが集結し、日本国内のみならず海外からも注目を集めた。
会期中には未来社会を体験する展示、ロボティクスやAIを活用したサービス、食・文化を発信するイベントも多数開催され、未来の都市体験を五感で味わえる場として賑わいを見せた。
閉幕後、夢洲では解体作業が進行
閉幕を迎えた大阪・夢洲の会場では、現在パビリオンの解体作業が本格的に進んでいる。会期中に世界中の来場者を迎えた各国パビリオンはその役目を終え、建材の取り外しや設備の撤去、再利用資材の仕分けなどが順次行われ、巨大な敷地は徐々に更地へ戻りつつある。
跡地は今後、関西圏の新たな成長拠点として「スマートリゾートシティ」へ再開発される計画だ。高機能物流、観光、MICE、次世代型都市インフラを備えた複合エリアを目指しており、万博が残した土台を未来の都市づくりへとつなげていく構想が進んでいる。
また、解体プロセスでは環境負荷軽減のための高度な手法が導入されている点も特徴である。構造材や内装材はできる限りリサイクルされ、鉄骨・木材・ガラスなどは別々に回収。再資源化可能な素材は国内外のリサイクルルートへ送られるなど、「サステナブル万博」の理念を閉幕後も受け継ぐ形となっている。
万博資産は、他の地域で第二の人生を歩み始めている
すべての建物や展示が完全に姿を消すわけではない。
パビリオンの中には、構造材や展示設備、さらにはアート作品そのものが解体後も新たな場所へ移設されるケースが複数出てきている。地方自治体の文化施設で再展示されるものもあれば、大学や研究機関が実験設備として活用する例、イベントホールや子ども向け施設に移されるケース、企業がショールームの展示として継続利用するケースなど実に様々だ。
デザイン性の高いパビリオンや印象的なアート作品は、一過性のイベントで終わらず、万博の記憶を次の地域へと受け渡す役割を担っていく。これらの再配置は、万博が生んだ創造性や文化価値を日本全国へ広げることにもつながり、閉幕後のレガシー形成として重要な意味を持つ。
万博記念ナンバープレートは“形として残るレガシー”

万博のもう一つのレガシーとして注目されているのが、大阪・関西万博仕様の図柄入りナンバープレートである。
会場デザインを象徴する鮮やかなカラーリングと万博ロゴが用いられている。申し込みの受付は2025年10月31日で終了している。
この特別仕様のナンバープレートを装着した車両が全国を走ることで、「万博があった」という記憶は一過性で終わらず、社会の中に長く残り続ける。万博の空気感やメッセージが、日常の風景の中に自然に溶け込み、次の世代へと受け継がれていく仕組みだと言える。
さらに、ナンバープレートは車の中で最も目につきやすいパーツのひとつであり、カラフルな万博デザインは走る広告塔としての役割も果たす。万博ロゴやキャラクターをあしらった図柄が街中で視線を引きつけ、閉幕後も大阪・関西万博の存在を思い出させる象徴として機能している。
イベント終了後の忘れられない持続性を生み出す点でも、大きな意味を持つと言えるはずだ。