排気量125cc以下のバイクは高速の走行NG
法律上、高速道路を走行できるバイクは、125cc超~250cc以下の「軽二輪(二輪の軽自動車)」と250cc超の「小型二輪(二輪の小型自動車)」という決まりがある。つまり、125cc超のバイクでないと走行不可。原付一種や原付二種といった原動機付自転車は走行できない。

なお、もし125cc以下のバイクで高速道路に進入・走行した場合は通行禁止違反となり、以下の罰則を科せられる。
【通行禁止違反の罰則】
・反則金:原付二種6000円、原付一種5000円
・違反点数:2点
誤進入が年間400件も! 首都高の現状
ところが、実際には、高速道路や有料道路に誤進入してしまう例は、意外と多いようだ。
たとえば、東京圏を通る首都高速道路(以下、首都高)では、歩行者や自転車も合わせて年間で約400件程度もの誤進入が発生しているという。なお、この約400件という数字は「立入者の保護件数」。首都高側が認知して保護をした数なので、認知していない事例もあるとすれば、さらに件数は多くなる。


しかも、こうした誤進入の全件数のなかで、原付が占める割合は2024年度で83%。また、年齢層的には30代〜40代が36%で最多、20代が30%で2位となっている。そして、これらデータから、原付バイクを利用する若い世代が首都高に誤進入するケースが多いことがうかがえる。

スマホナビの設定に注意
さらに、首都高によれば、原付や自転車の利用者で首都高への立ち入ってしまった人のうち約6割(2024年度)が、スマートフォンなどのナビアプリを使用していたという。
近年は、バイクでも、ハンドルなどにスマホホルダーをセットして、スマホをナビとして使うライダーも多い。そして、どうもこの際に、原付ライダーなのにアプリの設定を「有料道路を使う」仕様にしていたことが要因のようだ。スマホナビの指示通りに走ったところ、首都高に案内され、そのまま入ってしまったなどのケースが考えられる。

また、前述した首都高へ誤進入する原付ライダーに若い世代が多いのも、シニア層などと比べると、走行中にスマホナビをよく使う層だからということも類推できる。
こうした事例は、首都高だけでなく、たとえば、東名高速道路や中央高速道路などを管轄するNEXCO中日本でも、同様の注意喚起を実施。ポスターや公式WEBサイトなどで、原付バイクのライダーなどがスマホのナビアプリを利用する際は、「高速道路等を使わない経路案内」を設定するように呼びかけている。

うっかり入ってしまったら?
このように、原付バイクのライダーは、くれぐれも高速道路に入らないよう注意したい。高速道路は最高速度が100km/hの場所がほとんどで、そもそも法律で最高速度30km/hと決まっている原付一種や、最高速度60km/hの原付二種とは速度域が違う。クルマなどと一緒に走るのは極めて危険だ。
だが、誰しもが「ついうっかり」ということはあり得る。もし、誤進入してしまったらどうすればいいだろう。
たとえば、走行中に間違いに気づいた場合は、近くのインターチェンジ・料金所まで行き、係員に相談することが推奨される。
もし、それらが近くにない場合は安全な場所に退避し、高速道路に設置してある非常電話やスマートフォンから警察や高速道路の管制センターへ連絡し、指示を仰ぐのが望ましい。その後は安全を確保しつつ、指示通りに行動する。なお、待機を命じられた場合は、バイクはガードレールのある左端に停め、自分はガードレールの外側まで避難する方が安全だ。理由は、後続車に追突される危能性があるためだ。

ともあれ、もし誤進入をしてしまうと、パニックになる可能性もあるが、逆走などは絶対にせず、冷静な行動を行うことが大切だ。くれぐれも、悲惨な事故に遭わないように注意深く行動したい。
【関連リンク】
首都高ドライバーズサイト
https://www.shutoko.jp/use/safety/keepout/
NEXCO中日本ドライバーズサイト
https://www.c-nexco.co.jp/safety/safety_drive/false_entry/