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「オーバー380馬力、解禁！」HKSが本気で仕上げたFL5シビックタイプRの現在地

2025.12.20 16:00

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ハイフロータービンGT4845の投入により、FL5シビックタイプRが380psオーバーへ到達。マフラー、ECU、冷却系まで抜かりなく強化されたHKSの最新チューンは、ストリートでの扱いやすさとサーキットでの速さを高次元で両立する。さらに筑波タイムアタックを見据えた軽量デモカーも進行中。その全貌に迫る。

ハイフロータービンの投入でパワーは380馬力に到達！

タイムアタックシーズンに向けて本気のサーキット仕様車も製作中！

世界戦略モデルとして、先代FK8から一貫してシビックタイプRのパフォーマンスアップに注力してきたHKS。FL5におけるパワー系チューンの要となるのが、純正交換タイプのハイフロータービン「GT4845」だ。

デモカーでは、このGT4845ハイフロータービンにリーガマックススポーツマフラーとマスタリーECUを組み合わせることで、380psオーバーを発揮している。

HKSでは、ブーストアップを望むユーザーに向けて3種類の選択肢を用意。カプラーオン装着が可能なパワーエディターは、手軽さを重視しつつ約16psアップを実現。純正ECUの書き換えを行うマスタリーECU（フェーズ2）では、約30psのパワーアップが可能となる。さらに、制御項目を拡張し、より精密なブーストコントロールを可能とするパワーエディターRは、約33psアップを達成。こちらはタイムアタックマシンへの採用も予定されている。

マフラーには、静粛性と低排圧を両立したリーガマックススポーツを装着。中間パイプ以降を交換する構成で、バルブレスのツインテールがリヤビューをスポーティに演出する。加えて、メタルキャタライザーのリリースも予定されている。

FL5のウィークポイントとされる冷却性能の強化も抜かりない。高効率インタークーラーは、コア面積を22.4％拡大することで吸気温度を大幅に低減。高回転域では最大26度もの吸気温度低下を実現している。コア単体での設定も用意され、純正パイプへの接続が可能なのも魅力だ。

スポーティな走行を続けると水温・油温が上昇しやすいK20Cエンジンでは、ライトチューンであってもクーリング対策は必須。その切り札となるのが、近日発売予定の「Sタイプオイルクーラーキット」だ。FK8でも高い冷却性能を発揮した48mmワイドタイプ・9段コアを採用し、FL5専用設計のバンパーエアガイドをパッケージング。サーモスタットの装備やフローティングマウントによる振動対策など、ストリートユースへの配慮も徹底されている。

走行風を効率的にオイルクーラーへ導くエアガイドは、一部バンパーカットを必要とするものの、後付け感のない自然な仕上がりを実現。製品はFRP製だが、デモカーに装着されたカーボン仕様のオプション設定も検討中とのことだ。

足まわりには、専用ダンパーフルードと低振動スプリングを採用したハイパーマックスRを装着。前後14kg/mmのスプリングレートとサスペンションエラーキャンセラーが付属し、スポーツ性能と快適性を高次元で両立する。

ホイールはアドバンレーシングGTビヨンドR。ステップリムとコンケイブ形状の組み合わせがスポーティな奥行きを演出し、タイヤには路面や天候を問わず安定した性能を発揮するアドバンネオバAD09を組み合わせる。

躍動感のあるボトムデザインとダックテールを組み合わせたボディキット・タイプSも装着。片側8mmワイドのフェンダーモールは保安基準適合設計となっており、ホイールマッチングの幅を広げてくれる。

試乗インプレッションを担当したターザン山田は、「スポーツタービンキットを装着しているため、3000rpm付近まで回転が落ちるとブーストの立ち上がりに若干の緩さはある。ただし、ドッカンターボではなく、全域でフラットかつレスポンスの良いフィーリングで、高回転までしっかりとパワーが伸びる。これだけの出力が引き出されているなら、アドバンA052クラスのグリップが欲しくなる。トラクション性能が高まれば、ハンドリングはさらに楽しくなるはずだ」と語る。

さらにHKSでは、筑波サーキットでのタイムアタックを見据えた新たなデモカーも製作中。6点式ロールケージとサイドバーによるボディ補強に加え、不要な装備を撤去することで約200kgの軽量化を実施。この車両に市販パーツや開発中パーツを投入し、サーキットテストやタイムアタックを通じて性能検証を行なうのが「HKSレーシングパフォーマーシビックタイプR」の役割だ。