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■FA20型DITエンジンが2015年米国ワーズ社のベストエンジン10に選出

スバル・FA20型水平対向DIT4気筒ターボエンジン

2014(平成26)年12月12日、スバルは新型「WRX」搭載の水平対向直噴ターボ“DITエンジン“が米国ワーズ社の2015年「ベストエンジン10」賞を受賞したことを発表した。同賞は、ワーズ社のオートワールド誌の編集者が、その年の価格60,000ドル未満車のクルマに搭載されたエンジンの中から、ベスト10を選出するものである。

スバル1000で初搭載、レガシィで熟成された水平対向エンジン

スバル初の水平対向エンジン、EA52型

スバルを代表するコア技術の水平対向エンジンが初めての搭載されたのは、1966年5月に発売されたスバル初の小型乗用車「スバル1000」である。

1966年にデビューした「スバル1000」、スバル初の小型車

スバル1000は、オーソドックスなファストバック風の4ドアセダンで、パワートレインは最高出力55psを発揮する水平対向の1.0L 4気筒OHV(EA52型)エンジンと4速MTの組み合わせ。駆動方式は当時としては画期的なFFレイアウトだった。

その後、1971年10月に登場した「レオーネ」で、1.4Lや1.8L水平対向4気筒エンジンと4WDを組み合わせたシンメトリカル4WDの原型が出来上がった。

初代「レガシィ」に搭載された水平対向エンジン(EJ20型)
1989年にデビューした初代「レガシィ」

1989年2月には、「レオーネ」の後継として「レガシィ」がデビュー。4ドアツーリングセダンと5ドアツーリングワゴンの2タイプがラインアップされ、注目の水平対向4気筒エンジンは、1.8L SOHC(EJ18型)と2.0L DOHC(EJ20型)、最高出力220psを誇る最強グレードRS用2.0L DOHCインタークーラーターボエンジンの3機種が搭載された。

初代「レガシィ」に搭載された水平対向エンジン(EJ20型)

レガシィは、市場で高い評価を受け、特にツーリングワゴンはステーションワゴンブームの火付け役となり大ヒット、SUBARUブランドを築き上げる立役者となった。

レガシィの弟分インプレッサデビュー、そしてインプレッサWRXがWRXに

1992年にデビューした「インプレッサWRX」

1992年には、レガシィの弟分でレオーネの後継として「インプレッサ」がデビュー。その際、セダンにはWRC参戦を前提としたトップグレードのスポーツセダン「インプレッサWRX」が設定された。

スバル水平対向ガソリンエンジンの系譜
スバル水平対向エンジンの系譜

エンジンは水平対向4気筒エンジンで、WRX専用の240ps/最大トルク31.0kgmを発揮する2.0L DOHC インタークーラーターボ(EJ20型)を筆頭に、1.8L SOHC(EJ18型)、1.6L SOHC(EJ16型)、1.5L SOHC(EJ15型)の4機種で構成された。

2000年8月にインプレッサは、初めてのモデルチェンジで2代目に移行。初代同様セダンとスポーツワゴンが設定された。水平対向エンジンは、WRX用250psの2.0L DOHC インタークーラーターボとNA(EJ20)、1.5L SOHC(EJ15)、1.6L SOHC(EJ16)が用意された。

2007年6月、インプレッサは3代目に移行。水平対向エンジンは、最高出力110ps/最大トルク14.7kgmを発揮する1.5L DOHC、ラインアップの中心となる140ps/19.0kgmの2.0L SOHC、トップグレード用の250ps/34.0kgmの2.0L DOHCインタークーラーターボの3機種が設定された。 トランスミッションはスポーツシフト付き電子制御4速ATと5速MTが組み合わされ、駆動方式はFFと4WDが用意された。

4代目で、インプレッサWRXは独立モデルWRXに

2011年11月、インプレッサは4代目へ移行。2013年にはインプレッサの冠が外されて「スバルWRX」を名乗る独立モデルとなった。4代目インプレッサでは、WRXとそれ以外のグレードの性能差や価格差がさらに広がり、内外装はもちろん、メカニズム的にも共通する部分が少なくなったことから、スバルは「インプレッサ」と「WRX」を分けることにしたのだ。

ベストエンジン10賞に選出された水平対向直噴ターボ“DIT”エンジンを搭載「スバルWRX」

2013年11月には、ロサンゼルスオートショーで新型「WRX(米国仕様車)」(日本車名WRX S4)を世界初公開し、2014年から米国で発売された。

2014年スバル・WRX S4に搭載されたFA20型2.0L水平対向4気筒直噴ターボエンジン

米国仕様車は、水平対向4気筒2.0L(FA20型)直噴ターボ“DITエンジン“を搭載し、最高出力272ps/最大トルク35.6kgmを発生。トランスミッションは、6速MTおよび8速マニュアルシフトモードを備えるスポーツリニアトロニックが用意された。ちなみにDITエンジンは、2012年のマイナーチェンジで登場したレガシィで初めて搭載された。

レヴォーグに搭載された1.6L直噴ターボエンジン、FB16DIT

このFA20型DITエンジン優れた動力性能と環境性能の両立が評価され、ノミネートされた37のパワートレインの中から、2015年「ベストエンジン10」賞に選出されたのだ。

北米用ミッドサイズSUV、アセントに搭載された2.4L直噴ターボエンジン

ワーズ社「ベストエンジン10」賞は、毎年米国で販売される量販車に搭載されているエンジンの中から選出され、販売価格が60,000ドル以下のクルマに搭載されていることが受賞の条件。選考委員は、エンジンの出力、技術、燃費、振動、騒音、競争力などについて総合的に評価する。

インプレッサWRC用スバルEJ20WRC(2008年仕様)
インプレッサWRC用スバルEJ20WRC(2007年仕様)

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スバルとしては、2003年、2009年の「EJ25」型2.5L 水平対向4気筒ターボエンジンの受賞、2012年の「FA20」型2.0L 水平対向4気筒エンジンの受賞に続く、2年ぶり4度目の受賞である。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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