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今日は何の日?

■リチウムイオン電池搭載の日産アルトラEVを米国で発表

1997年にロサンゼルス・オートショーで発表された日産「アルトラEV」

1997(平成9)年12月29日、米国日産がロサンゼルス・オートショーで電気自動車「アルトラEV」を発表した。アルトラEVは、リチウムイオン電池を搭載したコンパクトワゴンのEVで、翌1998年に米国でのリース販売を始め、日本でも同年に「ルネッサEV」という車名でリース販売された。

世界初のリチウムイオン電池搭載車プレーリージョイEV登場

1997年にリース販売を開始した日産「プレーリージョイEV」

1990年代に入る頃には、リチウムイオン電池の商品化が進み、携帯電話やPCに使われ始めて普及が始まった。そのような中、日産は1997年2月にリチウムイオン電池を世界で初めて搭載した「プレーリージョイEV」を、主に関連企業・団体などの法人向けにリース販売を始めた。プレーリージョイEVのベースになったのは、1988年にデビューしたミニバンの2代目「プレーリー」である。

1997年にリース販売を開始した日産「プレーリージョイEV」

採用したリチウムイオン電池は、ソニーとの共同で開発された。電池容量8.64kWh、総電圧345Vで、エネルギー密度100Wh/kgは鉛電池の約3倍、ニッケル水素電池の約1.5倍、パワー密度300W/kgは鉛電池の約1.2倍、ニッケル水素電池の約1.5倍という電池性能を誇った。

1997年にリース販売を開始した日産「プレーリージョイEV」

最高出力64ps/最大トルク17kgmの永久磁石同期モーターをエンジンルームに搭載したFF駆動でリチウムイオン電池はトランク位置に搭載。大人4人がゆったり座れる居住性を確保し、航続距離は満充電時に200km以上、最高速度120km/hを達成した。

1997年にリース販売を開始した日産「プレーリージョイEV」

プレーリージョイEVに続いたのがルネッサEV(米国名:アルトラEV)

1997年10月デビューのガソリン車「ルネッサ」

1997年12月のこの日、「プレーリージョイEV」に続くリチウムイオン電池搭載EV「アルトラEV」が米国で発表された。米国での量産EVとしては、初のリチウムイオン電池を採用したEVだった。1998年10月には日米でリース販売が始まり、日本では「ルネッサEV」と名乗った。

1997年10月デビューのガソリン車「ルネッサ」
1997年10月デビューのガソリン車「ルネッサ」に搭載されたエンジン

ルネッサは、EVの発売の前年1997年10月にガソリンエンジン搭載のステーションワゴンとしてデビューした。米国で導入するEVとして開発していたルネッサ(アルトラ)を、まずガソリン車として日本で投入したのだ。

アルトラEVのスペックについて詳しい情報は公開されていないが、12モジュールからなるリチウムイオン電池をキャビン床下に配置し、航続距離は130kmが確保された。最高速度は120km/hで、200Vの非接触インダクションAC充電器を使用して、約4時間で満充電が可能だった。

1998年10月にリース販売された「ルネッサEV」(米国名:アルトラEV)
「ルネッサEV」(米国名:アルトラEV)のリアビュー

またABSや回生ブレーキを搭載し、高級オーディオやデュアルエアバッグなど高級車並みに装備も充実していた。

アルトラEV(日本名:ルネッサEV)は、日米で約200台、それぞれ約100台ずつリース販売されたとされている。日米とも一般販売ではなく、一部自治体の公用車、電力会社、大手企業、研究機関・大学への限定的なリース販売だった。日本では、3年リースで月額約27万円とされている。商品化というより、あくまでも技術検証と社会実験という位置付けだった。

「ルネッサEV」(米国名:アルトラEV)のコクピット

米国のアルトラEV導入はZEV(ゼロエミッション車)規制のため

一方で、日産が「アルトラEV」を米国向けに開発したのは、米国カリフォルニア州で1990年に導入され、1997年から施行された“ZEV(ゼロエミッション車)規制”対応のためだった。米国最大の自動車市場であるカリフォルニア州で大気汚染が社会問題化したことから、ガソリン車による大気汚染の防止を目的に導入されたのだ。

日産「アルトラEV」

ZEV規制とは、カリフォルニア州内で一定台数以上を販売する自動車メーカーに対し、ZEVであるEVやFCEV(燃料電池車)を一定比率以上販売することを義務付ける制度。その比率は年々引き上げられ、2026年モデルは新車販売の35%とされ、2030年モデルでは100%を義務付ける計画である。

この動きは、米国の他州へも広がり、さらには日本や中国、欧州でも導入が検討され、日本を含めた国々が10年~20年後に100%EV化、ZEV化にする目標が掲げられた。

ところが、2025年に再就任したトランプ大統領はZEV規制の廃止、またはその緩和を強力に進める意向を示し、カリフォルニア州が定めているZEV販売義務や排ガス規制(ACCII規制)の無効化を目的とした決議に署名し、即日発効されたのだ。

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トランプ大統領のZEV規制撤廃の判断によって、米国はもとより世界の国々の電動化戦略や自動車メーカーのEV戦略に影響が出ることは必須であり、すでにEV化減速の動きが世界中で始まっている。まだ先行き不透明で、当面は様子見というところだろう。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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