レンジローバー・スポーツの中でも最も刺激的なモデルが、待望のリフレッシュを受け、2026年後半に米国市場向けに2027年モデルとして登場することがわかった。注目は、このモデルが“SV”ではなく“SVR”と名付けられることだ。

レンジローバー スポーツSVR プロトタイプ スパイショット

レンジローバー“SVR”はブランドパフォーマンスモデルの頂点と言え、同社が最高出力(通常は強力なV8エンジン)を誇るモデルに与える名称だ。

レンジローバー スポーツSVR プロトタイプ スパイショット

現在、レンジローバースポーツには、「スポーツSV」、「スポーツSVブラック」、「スポーツSVカーボン」という3つのバージョンが存在する。現行型のレンジローバースポーツは発売から3年が経っているものの、いまだに最強のバッジを授与されたモデルが存在していない。しかし、この状況は間もなく変わりそうなのだ。

ニュル付近で捉えられたプロトタイプは、ボディ全体がカモフラージュされているものの、“SVR”モデルであることを示唆する点を見つけることができる。例えば、フロントバンパーの一番外側に追加されたエアチャンネルなどで、メインのサイドインレットはわずかに形状が変更され、下部グリルも変更されている。

もう一つの大きな変更点、そしておそらく最も特徴的なのは、リヤバンパーだろう。偽のスキッドプレートのディテールの代わりに、このプロトタイプには中央に2つの巨大な排気口があるほか、バンパーの下、リヤコントロールアームも通常のSVよりも頑丈に見える。ただし、これがプロトタイプだからなのか、それともより強度が必要なためなのかは定かではない。

フロントでは、バンパー下部のインテーク形状が若干変更されたことがわかる。より派手なリップスポイラーに加え、ミシュランの高性能ラバー、軽量アルミホイール、カーボンブレーキローターを強力に押さえるイエローのキャリパーも採用されている。

大径ホイールとタイヤはSVと共通だが、標準モデルには搭載されていない。これらは、23インチホイールや巨大なカーボンセラミックブレーキなど、SVにオプションで提供されるアップグレードパーツのようだ。

SVRという名称が与えられるかは確定した話ではないが、このV8エンジン搭載SUVは、インフォテインメントシステムやトリムオプションの拡充など、インテリアの刷新も期待できる。フェイスリフトによって、より高度な安全機能が搭載されることは確実で、M部門のS68エンジンは若干のパワーアップも予想されている。

S63をベースにしながらも、先代モデルから完全に新開発されたエンジンとされるS68は、排気量も同じ4.4Lだ。BMWの量産型V8エンジンの中でも最もパワフルでホットなこのV8エンジンは、X5 M60iから3列シートSUVのアルピナXB7まで、あらゆるモデルに搭載されている。

これまでで最もエキサイティングなチューンはアルピナのS68T0で、最高出力631ps、最大トルク800Nmを誇る。ジャガー・ランドローバーでは、レンジローバー・スポーツSVとランドローバー・ディフェンダーOCTAが、どちらも軸馬力626psを発揮する。

ジャガー・ランドローバーは、センターマフラーを採用したこのレンジローバー・スポーツSVRを、ポルシェ・カイエン・ターボGTに匹敵する最高出力にアップグレードする可能性があるという。