“道具感”が何よりの魅力。リーズナブルな価格での日本導入に期待!

2025年も様々な新車が登場したが、クロカン四輪ファンにとってのトピックスといえば、やはりトヨタ「ランドクルーザーFJ」の発表ではなかったろうか。日本での販売は2026年半ばを予定しており、まだ価格は発表されていないものの、すでにファンの間では話題沸騰だ。

トヨタ・ランドクルーザーFJ

すっかり高級車となってしまったランドクルーザーシリーズにおいて、ランドクルーザーFJはユーザーにとっての福音だ。巷での予想では300万円台ギリギリのプライスで販売されるのではないか!?と言われているが、もしそれが実現すれば、車両価格が徐々にアップしているスズキ・ジムニー シリーズの強力なライバルになるかもしれない。

さて、ランドクルーザーFJがロープライスにできるのは、発展途上国向けにトヨタが開発した「IMV0」シリーズとシャシーなどを共有化しているからだ。IMV0の代表モデルといえば、言わずもがな「ハイラックス チャンプ」だ。すでに昨年の東京オートサロンや群馬パーツショーなどで、実車(現地販売車)が展示されて注目されてきた。

同モデルは運転席キャビンから後方を様々な形にすることができる新世代のコマーシャルカーで、純粋なトラックとしてだけでなく、RVとしても活用することができる。ランドクルーザーFJはそれとラダーフレームなどを共用しているというのだが、ランドクルーザー300と250のようにホイールベースが共通うというわけではなく、長さが合致しないことに筆者はこれまで疑問を持ってきたのである。

トヨタ・ハイラックス チャンプ。用途に応じてさまざまな架装を想定している。

“共用といったって、切ったり貼ったりのいわば新造フレームじゃないか”と。しかし、それは大きな間違いであった。東京オートサロン2026において、ようやく答え合わせできたのである。

前述の通り、すでにハイラックスチャンプの実車はいくつかのイベントで展示された実績があるが、これを実現したのは群馬トヨタ(GTG GUNMA TOYOTA GROUP)。販社だが、昔から四輪駆動車の販売やカスタムに力を入れ、様々なカタチで業界を盛り上げてきた。

そんな同社がオートサロンで出してきた目玉が、「ハイラックス チャンプ・スーパーショートホイールベース」だ。ハイラックス チャンプにはこれまでショートホイールベースとロングホイールベースがラインナップされていた。しかし2025年10月、突如このスーパーショートホイールベースが追加されたのである。

GTG GUNMA TOYOTA GROUPが出展したトヨタ・ハイラックス チャンプのスーパーショートホイールベース車。

このボディバリエーションは、ショートホイールベースと比較してもホイールベース値が170㎜短い。それだけでなく全長も265㎜縮小されており、グッとコンパクトな印象を受ける。そしてこのスーパーショートホイールベースのフレームこそが、ランドクルーザーFJとの共用部品なのである。

もちろんハイラックス チャンプのリヤサスはリーフスプリング、ランドクルーザーFJのはコイルスプリングで、駆動方式も前者はFR、後者は4WDという違いはあるが、そこはラダーフレームならではのフレキシブルさがある。

展示車はタイ仕様のため、右ハンドルとなっている。

ランドクルーザーFJとの関係性はさておいて、このハイラックス チャンプのスーパーショートホイールベースは実に日本市場にとって魅力的だということだ。仕事で使うには少々荷台が小さい感があるが、軽トラックよりは荷役性が高いだろう。また動力性能的もアドバンテージがある。

展示されていた車両には2.4Lディーゼルターボエンジンが搭載されていたが、2.7Lや2.0Lのガソリンエンジンもラインナップされている。日本では相変わらずディーゼルの人気が高いが、この車格であれば2.0Lガソリンエンジンでも十分に走れるのではないだろうか。

2GD-FTV型2.4Lディーゼルターボエンジンを搭載。最高出力150PS/最大トルク400Nmを発生する。

ちなみに現地価格は約280万円。日本では300万円強で導入されれば、かなりのヒット車になりそうな予感がする。ただ、群馬トヨタのスタッフの方も語られていたが、安全装備が十分ではない。排ガス対策も含めて、上乗せされるコストを考えれば、仮に日本で販売されるとしたら300万円台半ばがいい線だろうか。

かつてトヨタの担当エンジニアに話を聞いたところでは、メーカーとしては反響次第で日本でも売りたいと考えているようだ。ただ、様々な国内認証を取るには時間を要するとのことで、もし日本市場に投入されるとしても2027年以降になるのではないだろうか。

今回改めて車両を観察したが、デザインは言うまでもなく、タイ生産ながらクオリティも十分だ。なによりもランドクルーザー以上の“道具感”は、今なら日本市場の気分にマッチしそうだ。ぜひ発売を望みたい。