元のクルマがわからない、見事な仕上がりのDAMDドレスアップパーツ群

クルマ好きの中には自分と同じクルマの横に止まるのがイヤなひとが少なくないようだ。
ただし見た目を変えようとしたところで、自分で何をどうできるわけではなく、できることといったらせいぜいパーツを部分的に買えるか、パーツのカラーリングを変えるぐらいだ。

よほどの好き者はそれなりのお金をかけてカスタムパーツで愛車を固め、逆にそのようなひとたちのためにカスタムパーツを売り出すパーツメーカーも数多くある。

今回の東京オートサロン2026会場でもそのようなブースを多く見かけたが、こりゃあうまく造ったなと思う車両を展示していたのがDAMDだったのでお見せしよう。

ブースには4台のクルマが置いてあったが、筆者が注目したのはそのうちの2台。

ひとつは現行フリードのフロントまわりを改変した「フリード ISOLATOR」。
まずはフロントの変わりようをごらんいただこう。

フリードISOLATOR

ヨコから見たとき、フェンダーから前側を総取っ替え。
丸ランプと横桟グリルがなす顔は、初代シティやその頃のシビックなど、80年代のホンダ車をイメージしてのものだという。

顔は80年代のホンダ車をイメージしたという

いまのクルマは歩行者保護のためにバンパーが突出しておらず、ボディに溶け込む形になっている。
フリード ISOLATORはバンパーを専用仕立てにし、樹脂製そのままに、80年代風に横棒一直線の色塗りバンパーにしたが、よーく見てみると全長計測位置となるライセンスプレートがつくあたりはグリルとほとんど同位置で、突出はしていないところがうまい。
ここからはみ出てしまうと歩行者保護の考えが反故になっていまうためだ(しゃれ)。

バンパーは横棒一直線!
バンパーはグリルスレスレ

全体を見ると全長が伸びているように見えるがこれは目の錯覚。
本家フリードに限らず、いまのクルマはUターンなどでの取りまわし性向上のため、フロント両脇は面取りしてあるが、このフリード ISOLATORは、ライトまわりを前進させ、顔全体のラウンド感を抑えて横方向を直線気味にしているから長くなったように見えるだけ。
ライセンスプレート位置は変わっていないから、全長だって長くなっていない。

ただし、カタログで見る最小回転半径は変わるはずがなくても、面取りがなくなった分、ボディ軌跡が描く最小回転半径は大きくなる道理だから、せまい道での右左折やUターンには注意が必要になる。
それにしても、チリもあっているし、なかなかうまくやったじゃないのというのが第一印象。

通常なら面取りされる部分を前進させ、エラを張らせた。
コーナーがはっきりしているから取りまわしに注意が必要だ。

ふたつめは「ジムニーノマド Armata」である。
さきのフリードISOLATORの顔のモチーフは80年代のホンダ車とはいいながらも、筆者にはどうもトヨタのウォークスルー型背高配送バンのクイックデリバリーを思わせるのだが、こちらのモチーフは一目瞭然。
「ランチアでしょ」と聞いたら正解だった。

ジムニーノマドArmata

元来丸目2灯のライトを4灯化。
オリジナルジムニーでライト脇にある丸いターンシグナルを直下のバー型変えて移し、専用のバンパー上部に角型フォグランプを載っけてある。

角型フォグランプが懐かしい

フリードISOLATORの大変化(だいへんげ)は主に前まわりだけだったが、こちらノマド Armataはリヤのバンパーも変えている。
バンパーばかりかランプも専用品。
考えてみれば、「バンパー内に収められた横長ランプ」のテーマはオリジナルジムニーと同じなのだが、汎用品的なランプ造形が、逆に個性を打ち出している。

リヤバンパー&ランプまわりも専用化
ジムニーノマドArmataリヤスタイル
内装はカバー(開発中)、ハンドル、助手席側のテーブルなどがこのクルマのオリジナル品

DAMDはここに掲げたフリード、ジムニーだけでなく、ステップワゴンやシエンタ、デリカミニ、N-BOX/N-VAN、ハスラーにハイエースといった人気車種向けのカスタムパーツを多数取り揃えている。
多くは主にアメリカンスタイルを志向しているようだが、感心するのは、「自動車メーカー」と謳うどこかの架装メーカーと違い、DAMDカスタムのどれもが、元のクルマが何なのかを見失うほどうまくデザインし、各パーツを精度高くインテグレートしていることだ。

ラインナップを掲載したカタログも分厚く、対象のクルマを持っていないまでも、そのひとつひとつの写真を見ているだけでも楽しい。
最近の国産車のスタイルはメーカーを超えて似たような表情のクルマばかりで面白みがない。
対象となるクルマを持っていればの話だが、ここらでひとつ、思い切ってアメリカンスタイルやヨーロピアンスタイルに振ってドレスアップするのも悪くない。