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今日は何の日?

■人気のケンメリにGT-R登場

1973年にデビューした日産4代目ケンメリ「スカイラインGT-R」

1973(昭和48)年1月26日、日産自動車は1972年にモデルチェンジした4代目「スカイライン」(ケンメリ)に走りを追求した高性能モデル「スカイラインGT-R」を追加した。160psを発揮する2.0L直6 (S20型)DOHCエンジンを搭載したが、新たに強化された排ガス規制対応が困難だったため、レースに参戦することなく僅か197台の短命で生産を終えた。

初代GT-Rは、3代目(ハコスカ)スカイラインで誕生

1969年にデビューした日産3代目ハコスカ「スカイライン2000GT-R」。初めてGT-Rを設定

3代目(C10型)「スカイライン」は、1968年7月にデビューした。1966年に日産自動車とプリンス自動車が合併したので、3代目から正式名称はそれまでの「プリンス・スカイライン」から「日産・スカイライン」に変わった。

1968年にデビューした日産3代目ハコスカ「スカイライン2000GT」

3代目には、1.5L 直4 SOHCエンジンと2代目から受け継いだ最高出力105psを発揮する2.0L 直6 SOHCエンジンの2機種が搭載されたが、直6エンジン搭載の「2000GT」がやはり人気となった。精悍な箱(ハコ)型のスタイリングから、“ハコスカ”と呼ばれて今でも多くのファンを持つ。

1969年にデビューした日産3代目ハコスカ「スカイライン2000GT-R」。初めてGT-Rを設定

そして翌1969年2月には、現在も国産車最高峰のスポーツモデルに君臨する「日産GT-R」の始祖「スカイライン2000GT-R」が誕生した。レーシングカーR380用のS20型エンジンを市販車用に改良した最高出力160ps/最大トルク18.0kgmを発揮する2.0L 直6 DOHCを搭載。トランスミッションは、ポルシェタイプ・フルシンクロの5速MTで、最高速200km/h、0→400m加速は16.1秒を誇った。

1969年にデビューした日産3代目ハコスカ「スカイライン2000GT-R」。初めてGT-Rを設定

車両価格は154万円(1.5L標準モデルは57.9万円)。スカイラインGT-Rは、早速その年の5月のJAFグランプリレースの初優勝を皮切りに1972年まで国内レースで破竹の49連勝という金字塔を打ち立て、ここに速くて強いスカイラインGT-Rの歴史が幕開けたのだ。

若者が憧れたスカイラインの代表作4代目ケンメリ

1972年にデビューした日産4代目ケンメリ「スカイライン」

ハコスカの後を継いだのが、“ケンとメリーのスカイライン”のキャッチコピーとともに1972年9月に華々しくデビューを飾った4代目(C110型)スカイラインである。

日産4代目ケンメリ「スカイライン」に搭載された直6 L20型エンジン

ダイナミックなハコ型の“ハコスカ”からデザインを一新。シャープながらやや丸みを待たせたスポーティなファストバックスタイルと、以降スカイラインのシンボルとなる丸形テールランプが特徴だった。

日産4代目ケンメリ「スカイライン」のコクピット

4ドアセダンと2ドアハードトップ(HT)、ワゴン、バンが設定されたが、人気となったのはもちろん美しいフォルムのハードトップだ。室内も、大型ソフトパットで覆われたインパネや木目パネルを多用するなど、スポーティかつゴージャスに仕上げられ、エンジンは1.6L&1.8L 直4 SOHCと、2000GTには2.0L 直6 SOHCのツインキャブ仕様が搭載され、最高出力125psを誇った。

日産4代目ケンメリ「スカイライン」のリアビュー

4代目スカイラインは、ファッショナブルなTVコマーシャルで“ケンメリ”の愛称を日本中に浸透させ、“ハコスカ”を上回る人気を獲得して歴代最高の販売台数を記録した。

僅か197台のレアなモデルになったケンメリGT-R

1973年にデビューした日産4代目ケンメリ「スカイラインGT-R」

ケンメリのデビュー4ヶ月後の1973年1月のこの日、2ドアハードトップをベースにした2代目となるGT-Rが設定された。

1973年にデビューした日産4代目ケンメリ「スカイラインGT-R」のリヤビュー

精悍なフロントマスクにレーシングタイヤが装着可能なように大型のオーバーフェンダーを、リアエンドには高速安定性を高めるためにFRP製のリアスポイラー、そして専用グリルとリアガーニッシュにはGT-Rのエンブレムが装備された。

1973年にデビューした日産4代目ケンメリ「スカイラインGT-R」のコクピット
1973年にデビューした日産4代目ケンメリ「スカイラインGT-R」の前後シート

インテリアもGT-Rのためだけの特別仕様で、ダッシュボードはアルミパネルに変更され、その中にフルスケール240km/h表示のスピードメーターと、10000rpmまで刻んだタコメーターがスポーティさを演出した。

日産4代目ケンメリ「スカイラインGT-R」に搭載されたS20型エンジン

エンジンは初代GT-R同様に、S20型の2.0L 直6 DOHC。エキゾーストマニホールドやエアインテークの形状などがわずかに初代から変更されたが、最高出力/最大トルクは同じで、トランスミッションも初代と同じ5速MT。車両価格は、163万円に設定。当時の大卒初任給は、6.5万円程度(現在は、約23万円)だったので、単純計算で現在の価値では約577万円に相当する。

1973年にデビューした日産4代目ケンメリ「スカイラインGT-R」

初代GT-Rはサーキットで勝つことを使命として開発されたが、2代目GT-Rはストリート走行も重視して開発され、そのため車重は1145kgと重く、燃費と排ガス性能には不利だった。

しかも、1973年には排ガス規制が強化され、それまでのCO規制に加えて、HC(炭化水素)とNOx(窒素酸化物)が規制対象となった。これにケンメリGT-Rはうまく対応できず、生産を中止すことになった。この時期、まだ三元触媒が実用化されておらず、対応のためにはコストアップと性能低下が避けられなかったのだ。

期待されて登場したケンメリGT-Rだったが、結局サーキットの舞台にデビューすることなく、発売からわずか4ヶ月で生産が打ち切られた。その間に生産されたのは、市販車195台、試作車2台の計197台という、まさにレアなモデルとなった。

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1989年に誕生したBNR32型スカイラインGT-R
BNR32型スカイラインGT-Rに搭載された2.6LDOHCツインターボのRB26DETT型エンジン
BNR32型スカイラインGT-Rのコクピット

ケンメリGT-Rがデビューした1973年は上記のように排ガス規制が強化され、さらに第一次オイルショックも起こった最悪のタイミングだった。この悪いタイミングの流れでスカイラインGT-Rが姿を消し、復活したのは16年ぶりとなる1989年8月の8代目(R32型)スカイラインだった。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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