連載

あのコンセプトカー、どうなった?

世が世なら、電動スカイラインに結実した!?

電動化にひた走っていた2010年代の日産。2010年代の最後の年の1月に開催されたNAIAS(デトロイト・モーターショー)で日産がワールドプレミアしたのが、「IMs」だ。

日産IMs 2019年

電動ハイパフォーマンス・スポーツセダンの未来形として制作されたIMsは、前後に配置された2基のモーターで駆動する電動AWDシステムを採用。115kWhのバッテリーを搭載し、1回の充電で約612kmの構造距離を実現する、とされた。

全長×全幅×全高:4845mm×1900mm×1500mm ホイールベース:2900mm

ボディサイズは、
全長×全幅×全高:4845mm×1900mm×1500mm ホイールベース:2900mmだから、現行スカイライン(全長×全幅×全高:4810mm×1820mm×1440mm ホイールベース:2850mm)とほぼオーバーラップする。床下にバッテリーを搭載するから全高はやや高いが、魅力的で流麗なプロポーションをしているのは間違いない。

フロントグリルには日産のVモーションがあしらわれている。
外装には、月面に存在する架空の鉱物をイメージした特殊な「リキッドメタル」塗装が施されてい

フロントは当時の日産のデザインランゲージである「Vモーション」を採用。日本伝統の「麻の葉」柄からインスピレーションを得た幾何学模様をルーフのスモークガラス表面やホイールや内装も含めてデザイン全体に採り入れた。

インテリアのシート配置は、「2+1+2」の独自レイアウト。後席のセンターシート葉、両側に小型アウトボードシートを備えた「プレミアシート」で、左右の背もたれを倒すとアームレストになる。

後部空間を支配するのは革新的な「プレミアシート」。スリムな両側シートを折りたたむと、3人掛け後部座席から現れる特大センターシートだ

2019年の日産の状況は、前年の18年にゴーン事件(カルロス・ゴーン前CEOが逮捕された)され、19年度決算で27年ぶりの巨額の赤字決算となってしまう。

IMシリーズのクロスオーバー版であるIMx(2017年)は、2019年のアリア・コンセプトにつながるのだが、そこからアリアがデビューし安定して生産されて販売に至るまで、かなり時間を要してしまった。

日産IMx

2019年当時でも世界の自動車セールスのトレンドは、セダンではなくSUV/クロスオーバーだった。

世界の(そして日本の)EVシフトが日産の予想通りに進んでいたら……、新型コロナウイルスのパデミックやゴーン事件の影響がなかったら……IMsはもしかしたら当初の狙い通り、電動ハイパフォーマンス・スポーツセダンとして、スカイラインの名前で世に出ていた……のかもしれない。

ターゲットとしていた性能も、美しいエクステリアデザインも、個性的なインテリアも、いまでも通用する電動スポーツセダンだ。市販モデルにつながらなかったのが残念なコンセプトモデルだった。

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