20年ぶりの原点回帰
6速より5速?GTOオーナーが語る意外な真実
ああ、間違いない。遠くから排気音を響かせながら取材現場に姿を現した、ピットロードMオリジナルフルエアロを纏ったZ16A。ちょっと秋めいた青空の下で、ギャラクシーホワイトのボディが眩しく映る。

オーナーの小椋さんは根っからのGTOフリークだ。聞けば、学生時代にその迫力満点なスタイリングに惚れ込み、社会人になると同時に1992年式の前期型ツインターボを購入。同じモデルを乗り継いだ後、続いて1996年式中期型ツインターボを手に入れた。
「その後、A8→S8→RS6とアウディに乗ってきたんですけど、ここ数年、行く先々でなぜかGTOのオフ会に遭遇することが続いて。またGTOに乗ってもいいかな?なんて気持ちがフツフツと湧いてきてしまったんですよ」と小椋さん。

気持ちが傾きだしたら、中古車を探し始めるのがクルマ好きというもの。小椋さんもその例に漏れず、結局5.0L V10ツインターボエンジンを搭載するアウディRS6を手放し、昨年20年ぶりに4台目のZ16A、1999年式の最終型ツインターボを迎え入れることになった。

エンジンは吸排気チューン+ブーストアップ仕様。 トラストのプロフェックで最大ブースト圧は1.2キロに設定され、380psを発揮する。いや、むしろそこまでに抑えている。というのも、パワーを出し過ぎるとトランスファーシャフトの負担が大きくなり、万が一折れると自走できなくなるからだ。

また、足回りにはブリッツ製ZZ-R車高調をセット。ブレーキはプロジェクトμのレーシング999パッドに交換され、純正同サイズのスリットローターが組み合わされる。ホイールはグラムライツ57CR(18インチ 10.5J+12)で、タイヤには前後265/35サイズのアドバンネオバAD09をセットする。

外装は、ピットロードMオリジナルのM-SPL前後フルバンパー&ワイドフェンダー、サイドステップを装着。カーボンボンネットを始めとするオリジナルエアロが、GTOのスタイリングを圧倒的なものへ昇華させている。存在感を放つ純正リヤウイングは本体を黒くし、ガーニーフラップを追加。

コクピットは純正ライクな仕上がり。ステアリングはMOMOレース320φ、スピードメーターは輸出モデル用の290km/hフルスケール(内側にマイル表示あり)に交換。追加メーターはトラスト製ブースト計と、オオモリ製水温計、電圧計(いずれも機械式)を装備する。

運転席はフルバケのレカロSP-G、助手席はレカロSR-III。運転席にはサベルト4点式ハーネスも装備される。

ヘビー級のZ16Aだけに少しでも軽くするため、スペアタイヤやラゲッジマットを撤去。リヤストラットタワーバーはクスコ製だ。「子供達が乗りたがるので、リヤシートはあえて残してあるんです」と小椋さん。

小椋さんが言う。「スタイリングについては前期、中期、後期それぞれに良さがあると思います。ただ、ミッションに関しては6速MTより5速MTの方がGTOの性格には合ってると思うんですよね」。
つまり、トルク型の6G72ターボゆえ、ロングなギヤ比で息の長い加速を楽しむのがGTOらしいということ。 その点、中後期型に搭載された6速より前期型5速の方が相応しく、実際6速まで使うシチュエーションはほとんどないという。
こんな話を聞けるのも、各モデルを乗り継いできた小椋さんだからこそ。 GTOに惚れ込んだオーナーの、愛と経験値を思い知らされたのだった。
●取材協力:ピットロードM 兵庫県姫路市安富町安志912 TEL:0790-66-3359
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