平成チューンドの完成形

街乗りを大前提に考えたRB26フルチューン
RB搭載のスカイラインにおいて、GT-Rでなくとも名機RB26DETTエンジンはチューニングの到達点とも言える存在であり、ひとつの目標として挙げられることが多い。そんなRB26DETTへの換装によって、さらなるパフォーマンスを追求したのが、名門“ブラックライン”が手がけたER34だ。


換装されたエンジンの内容は、コスワース製ピストンやH断面コンロッド、JUNの280度カム、リン青銅製バルブガイドなどを用いた、ブラックラインの定番メニュー。組み合わされるタービンは大型のトラストT88だが、セッティングはあくまで街乗りでのフィールを重視。最大ブースト圧1.5キロ時に800psを発生させる。

「もともとはブーストアップ仕様のRB25DETにRE26DETTヘッドを載せたい、という相談から始まったんですが、その方法も可能ではあるものの、ヘッドボルトの打ち替えなどで意外とコストがかかる。そこで、素直にRB26DETTへ積み替えましょう、という判断になりました」と語るのはブラックライン鈴木さん。
このユニットに最近手が加えられたのが、シングルスロットル化とワンオフのサージタンク製作だ。

ワンオフのサージタンクは、内部構造にも強いこだわりが込められている。各ポートの先端がタンク内でファンネル形状となっており、NA領域でも吸気の勢いを高めやすく、吸気ムラが起こりにくい構造だ。エンジン内部にもきっちりと手が入っているため、サージタンク容量を増した効果も大きく体感できるという。

バッテリーはトランクへ移設してエンジンルーム内のスペースを確保し、オイルキャッチタンクを追加。ブローバイガスの分離や圧抜き用として、チューニングエンジンには必須の装備で、こちらもワンオフ製作されたアイテムとなる。

ブラックラインのセッティングでは、タービンの正常な作動状態を見極める指標として排圧を計測し、整えることも重要視している。このらせん状のパイプは、その排圧を取り出すためのものだ。

メイン90φのワンオフマフラーは、大型の砲弾タイプで迫力も満点。ズ太いサウンドは、まさに90年代のフルチューンを彷彿とさせる排気音である。

制御系はF-CON Vプロ3.4でセットアップ。エンジン内部やECUといった下地がしっかりと作り込まれているため、将来的なバージョンアップもスムーズに行なえる。

熱対策としては、ラジエターの大型化やオイルクーラーの装着に加え、ボンネットもエアスクープ付きタイプへと変更されている。

仕上げとして、冷間時のアイドリング調整から極低回転域での安定性、さらに加速時の立ち上がりまで、街乗りを想定したセッティングを綿密に実施。パワーだけでなく扱いやすさも兼ね備えた、熟成されたブラックライン流RB26チューンへと進化を遂げている。
●取材協力:ブラックライン 埼玉県川越市下広谷690-1 TEL:049-239-6667
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ブラックライン
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