大技連発の独創スタイル!

上置きツインターボの800馬力エンジンも注目

日本が世界に誇るスポーツカーの象徴、スカイラインGT-R。その中でも第二世代GT-Rは、専用設計のRB26DETTが生み出す280psと、前後トルク配分を最適化するアテーサE-TSによる圧倒的なトラクション性能で、平成チューニングシーンを一変させた名車中の名車だ。

そんなGT-Rに強く魅せられ、「走りのアイデンティティは絶対に崩さない」という信念のもと、“好きを詰め込んだ唯一無二”のBNR34を作り上げているのがTOMさん。GT500マシン用のカーボンフェンダーを流用し、リヤ片側120mmワイドという常識外れのスタイルを成立させている。

もともとはECR33をベースに、レーシーなGT-R仕様を楽しんでいたTOMさん。しかし、映画『ワイルド・スピード』に登場したベイサイドブルーのBNR34に衝撃を受け、フルノーマルのBNR34をクルウチで購入。約5年間は、純粋にGT-Rの走りとスタイリングを味わっていたという。

転機となったのは6年ほど前。SNSで個性的なマシンに触れる機会が増え、「もっと自分らしさを自由に表現したい」と感じるようになった。エアサス化、ガルウイング化、サンルーフ装着…。思いついたアイデアを次々と具現化していく一方で、「GT-Rである以上、走りは絶対に妥協しない」というスタンスは揺るがない。

そこでクルウチに依頼したのが、RB26の2.8L化とTD06-20Gによる上置きツインターボ仕様だ。以来、久留内代表はエンジン製作にとどまらず、カスタム全体の相談役となっている。

近年、チューンドRB=シングルターボというイメージが定着しているが、かつてGT-Rユーザーの憧れだったのは、機能美に満ちた上置きツインターボ。圧縮比8.7:1の2.8L仕様にTD06ツインを組み合わせ、ブースト1.6キロ時には800ps/60kgmを発揮。ピックアップと扱いやすさを重視した、まさに“大人のRB26”だ。

GT500用カーボンフェンダーを奢られたリヤセクションも圧巻。単なる換装では収まらず、バンパーやテールレンズのカット加工を敢行。さらに305サイズのタイヤを飲み込むため、フェンダーは片側20mmの追加ワイド化とアーチラインの再構築が施されている。

フロントはR35ニスモ用フェンダーダクトを違和感なく取り込むため、控えめなワイド化に留めるが、それでも十分すぎる存在感を放つ。ボルクレーシングGT-Cに海外製リムを組み合わせ、サイズはフロント19×11Jマイナス26、リヤ19×13Jマイナス100という異次元スペックだ。

エクステリアとは対照的に、インテリアはシンプルかつレーシー。各部にカーボンを配し、エアサスのコントロールパネルはエアゲージとともにコラム右側へスマートにレイアウトする。

ベバスト製サンルーフは、見た目と実用性を両立したお気に入りの装備。12点式ロールケージの存在感に目を奪われがちだが、カーボンクロス樹脂を張り込んだワンオフ仕上げのレカロRSSも見逃せない。

このBNR34の本質は、外観インパクトの先にある。「好き」と「走り」を天秤にかけない姿勢。上置きツインで800psを絞り出すRB26も、GT500譲りの超ワイドボディも、すべてはGT-Rというクルマを心から楽しむための選択だ。

定石や時代に縛られず、自分だけの正解を積み重ねていく。その姿こそ、平成チューニングをリアルタイムで体験してきた世代が辿り着いた、ひとつの完成形と言えるだろう。

●取材協力:クルウチ 三重県多気郡明和町佐田906-12 TEL:0596-53-0070

「抑えきれないZ愛を体現!」クルウチの集大成 『CRAZY Z』を見よ!【東京オートサロン2026】

三重県のカーショップ「クルウチ」が東京オートサロン2026に出展したのは、代表を務める久留内良彦さん自身の「純愛」をテーマにしたRZ34フェアレディZ。ドラッグレースのシリーズチャンピオンを獲得したマシンをベースに、240ZGやポルシェ935など、久留内さんの好きなクルマのエッセンスを随所に取り入れたワイドボディを実現。クルウチの集大成とも語るオンリーワンなクレイジーZの完成だ。

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